音割れや音飛びの予防方法

  • 対象となるLiveのバージョン:すべて
  • 対象となるOS:すべて

CPUに負荷がかかりすぎている場合や、選択したバッファサイズ内で音声をバッファできない場合、再生中に、音割れ、音飛び、グリッチが発生することがあります。

本ページでは、そうした問題のもっとも一般的な原因と解決方法をご案内しています。

こちらのビデオでは、お使いのコンピュータに合わせてLiveを設定してCPU負荷を軽減する方法を確認することができます。

  1. すべてをアップデートする
  2. オーディオの設定を調節する
  3. オーディオインターフェース
  4. CPU負荷を軽減する
  5. ハードディスク過負荷を最小限に抑える
  6. お使いのコンピュータのアップグレードと点検を行う
  7. Windowsを音声処理に適した設定にする

1. すべてをアップデートする

以下のすべてが最新状態であることを確認してください。

  1. Liveをアップデートする。
  2. Max for Liveをアップデートする(Live 9をお使いの場合)。
  3. オーディオインターフェースのドライバとファームウェアをアップデートする。
  4. プラグインとMax for Liveのデバイスをすべてアップデートする。
  5. オペレーティング・システムをアップデートする。

2. オーディオの設定を調節する

コンピュータをベースにしたオーディオシステムでは、確実な再生を行うために一定のレイテンシーが必ず発生します。このレイテンシーはオーディオ・バッファリングとして知られています。 ただし、バッファサイズが小さ過ぎる場合は、音割れ、雑音、破裂音、音飛びを引き起こすことがあります。 最適な再生を実現するために、以下のことを行ってください。

  1. Liveの環境設定画面を開き、タブ[Audio]へ移動します。
  2. バッファサイズを大きくする。 音割れや音飛びが止まる最適なバッファサイズを見つける。
  3. 2の累乗にあたる値を常に使用する(32、64、128、256、512、1024)。
  4. 入出力のサンプルレートを44100まで低くする。

【注意】バッファサイズが大きくなるほど、音声のレイテンシーも増加します。

Buffer_size_and_sample_rate.png

ドライバタイプをASIOにする(Windows)

  1. 最良のパフォーマンスを実現するために、ドライバタイプをMME/Direct Xではなく、ASIOにすることを推奨しています
  2. お使いのインターフェースでASIOのネイティブなドライバを利用できない場合は、ASIO4ALLをお使いください。

【注意】ASIO対応のオーディオインターフェースの多くは、オーディオインターフェースのコントロールパネルでしかバッファサイズを変更できません

ドライバエラー補正を初期値に戻す

ドライバエラー補正を極端な値に設定していると、音声処理の問題を引き起こすことがあります。 ドライバエラー補正については、こちらの記事にまとめています。

3. オーディオインターフェース

  1. オーディオインターフェースのドライバとファームウェアが最新状態であることをご確認ください。
  2. 古いインターフェースには、現在お使いのOSに対応しているドライバを搭載していない可能性があります。 インターフェースの製造が終了している場合は、アップグレードをご検討ください。
  3. コンピュータによって、USB 3.0のポートが搭載されている場合があります。 お使いのオーディオインターフェースに、USB3.0のプロトコルとの互換性があることをご確認ください。
  4. ご不明の場合は、コンピュータに内蔵されているサウンドカードを代用してください。

ケーブル/アダプタ/ハブを確認する

  1. USB、Firewire、Thunderboltで接続してオーディオインターフェースを使用している場合は、ケーブルやアダプタが破損していたり、適切に挿入されていなかったりすると、音割れや音飛びの原因になります。 接続を確認して、必要に応じてケーブルとアダプタを交換してください。
  2. ハブ経由ではなく、コンピュータに直接接続してください。
  3. コンピュータのUSBポートを確認し、必ずほこりや糸くずを取り除いてください。

4. CPU負荷を軽減する

お使いのコンピュータのCPUに負荷がかかりすぎると、音飛びやクリックノイズのほか、音声に関する問題がLiveで発生することがあります。

LiveでCPU負荷を軽減する手順は、こちらのページで確認することができます。

お使いのコンピュータ上で別のプログラムや処理を実行すると、貴重なCPUを使用する可能性があるので、そうしたプログラムや処理は終了してください。

5. ハードディスク過負荷を最小限に抑える

ハードドライブが十分な速度で読み書きを行えない場合、音飛びを引き起こすことがあります。 この場合は、ハードディスク過負荷インジケーター([D]アイコン)がオレンジ色に点灯します。 この状態は、サイズの大きな複数のオーディオファイルを一度に再生すると発生しやすくなります。

disk_overload_indicator.png

ハードディスク過負荷を予防するには、「ハードディスク過負荷の予防方法」にまとめた手順をご参考ください。

6. お使いのコンピュータのアップグレードと点検を行う

パフォーマンスの低いコンピュータでは、音声処理を効率的に行えず、音割れや音飛びの原因になることがあります。 Live10の動作環境の最低要件には、Liveを動作させるのに最低限必要な仕様をまとめています。 ただし、この最低要件では、Liveの使用方法によって、十分に作業を処理できないことがあります。 音声を扱うソフトウェアを使用するときは、高性能なコンピュータを推奨します。 コンピュータの個別のコンポーネント(メモリ、CPU、ハードドライブなど)をアップグレードできるかどうかをご確認ください。 ご購入を推奨しているコンピュータをこちらのガイドにまとめています。

アップグレードに加え、最適なパフォーマンスを実現するために、コンピュータの定期的な点検を推奨しています。

  • ファンや通気口にほこりや糸くずが詰まっていると、プロペラの回転が困難になり、コンピュータの冷却に長い時間が必要になります。 その結果、コンピュータの温度が上昇するほど、システムのリソースが減少し、サーマルスロットリング(熱暴走を回避するために、性能を低下させる機能)が作動します。 年に1回は、コンピュータのファンや通気口の掃除を行ってください。
  • コンピュータに十分な空き容量を確保してください。 一般的には、少なくとも10%の空き容量が目安と言われています。
  • 不要なプログラムをアンインストールして、コンピュータをできるだけ効率的な状態に保ってください。

【免責事項】上記のメンテナンスを起因とするコンピュータの損傷やデータの損失に対し、Abetonは一切の責任を負いかねます。 確信が持てないときは、専門のコンピュータ技術者に作業をご依頼ください。

7. Windowsを音声処理に適した設定にする

Windowsをお使いの場合は、Liveを含むすべての音声処理を最適なパフォーマンスでご利用になるために、通常、上記以外の調節が必要になります。 Windowsを音声処理に適した設定にする方法は、こちらのページで確認できます。

パワースロットリングを無効にする

パワースロットリングは、ラップトップ・コンピュータを電源に接続していない状態で使用するときに、バッテリーの充電を長持ちさせるWindowsの機能です。 この機能により、Liveで利用できるシステムのリソースが制限されるため、音割れや音飛びといったパフォーマンス上の問題を引き起こす可能性があります。 この問題を調整するには、「Windowsのパワースロットリングを無効にする方法」をご確認ください。

Abletonでは、以下の学習リソースと詳細なヘルプが提供されています。: