Liveのクラッシュレポートの読み方
- 対象となるLiveのバージョン:すべて
- 対象となるOS:すべて
LiveのLog.txtファイル(すべてのOSで確認可能)とシステムクラッシュログ(macOSで確認可能)を確認することで、クラッシュのトラブルシューティングと原因の特定ができる場合があります。 これらのファイルから読み取れる情報は、サードパーティプラグインとMax for Liveが関係するクラッシュに一番関連しています。
LiveのLog.txtファイル
Log.txtファイルには、直近のLiveのログが記録されています。 クラッシュ発生時に進行中だったプロセスを確認することで、クラッシュの原因とトラブルシューティングの方法を特定できる場合があります。
Log.txtファイルの保存場所
Log.txtファイルは下記隠しフォルダ内に保存されています。隠しフォルダについてはこちらをご参照下さい。:隠しフォルダにアクセスする方法
Windows: C:\Users\[Username]\AppData\Roaming\Ableton\Live x.x.x\Preferences\Log.txt
macOS: Macintosh HD/Users/[Username]/Library/Preferences/Ableton/Live x.x.x/Log.txt
Log.txtファイルのクラッシュに関連する情報を読むには
Liveのログは、時系列の「ラン」(Liveアプリケーションの起動ごとのログ)として記録されます。 Liveが起動される度、以下のようなハッシュマークが2行分Log.txtに記録されます。
直近のランの情報を見つけるには、Log.txtファイルの一番最後のハッシュマークの行を探します。
Liveが問題なく(クラッシュせず)終了した場合、そのランの最後の行は以下のように記録されます。
Live App: GlobalExit( ): End または Exit: End
ログで見ると、通常のランは以下の様になります。
または
もしハッシュマークの行の直前にExit: Endのログが無い場合、Liveがクラッシュしたか、予期せず終了した可能性があります。
この方法でクラッシュのログが確認できた場合、時間をさかのぼり、ハッシュマークの直前に記録されている最後のプロセスを見つけます。 これにより、Liveがクラッシュの際に何を実行しようとしていたのかが分かり、トラブルシューティングの手がかりが得られます。
Log.txtファイルで特定できる一般的なクラッシュの事例:
プラグインに関連するクラッシュ
以下のLog.txtからの抜粋では、ログに記録されている最後のプロセスは、(架空の)サードパーティプラグイン「ReChorder」の復元です。
yyyy-MM-ddTHH:mm:ss.SSS: info: AU: Going to restore: ReChorder
########################################
直後にハッシュマークの行が記録されており、これはExit:Endプロセスが記録されずにLiveのランが終了したことを示しています。このため、このログではReChorderがクラッシュの原因となっていることが示唆されています。 プラグインはLiveアプリケーション内にロードされるため、VSTやAudio Unitデバイスがクラッシュすると、Liveアプリケーション全体もクラッシュする可能性があることに注意して下さい。
プラグインによるクラッシュのトラブルシューティング方法:
- クラッシュしているプラグインのアップデートが可能な場合、開発元のサイトからアップデートを行って下さい。
- 問題が解決しない場合は、プラグインフォルダからプラグインを削除し、クラッシュについてプラグインの製造元に問い合わせてください。
- VST2、VST3、Audio Unit(macOSのみ)など、プラグインが他のバージョンで使用可能な場合、他のバージョンでもテストしてみてください。
注: Log.txt ファイル内の「error」という単語は、特にVST3プラグインについてのログに記録されている場合、必ずしも心配する必要はありません。 このタイプのエラーは、多くの場合、重要でない構成プロトコルに関連しており、クラッシュを引き起こしません。
その他のクラッシュ
- その他のクラッシュのトラブルシューティングや、「Windows Exception」などの一般的なエラーについては、クラッシュレポートをcrashes@ableton.comにアップロードし、クラッシュレポートを添付してテクニカルサポートにリクエストを提出してください。
- Log.txt から簡単に特定できないフリーズやハングについては、こちらの記事のトラブルシューティング手順を確認してください。
システムクラッシュログ
macOS では、Macシステムクラッシュログで詳細な情報が得られる場合があります。 Windowsクラッシュログは、クラッシュレポートに含まれている場合、 クラッシュ分析ツールでのみ読み取ることができます。 Liveがクラッシュレポートを生成した場合、パッケージ全体をcrashes@ableton.comに送信してください。返信なしで自動的にクラッシュログが記録されます。 テクニカルサポートからの返信を受け取るには、サポートページから直接お問い合わせください。その際、クラッシュレポートも添付してください。
macOSシステムクラッシュログの読み方
macOSのシステムクラッシュログの場所は次のとおりです。
- macOS 12: コンソールでレポートを表示する
-
macOS X 10.6 - macOS 11: Macintosh HD/Users/[username]/Library/Logs/Diagnostic Reports/Live.xxxx.crash
注: macOSのユーザーレベルのライブラリフォルダはデフォルトでは非表示になっています。 このフォルダを表示するには、Finderを開きます。 アプリケーションメニューで[Go]を開き、[option]キーを押したままにすると、非表示のユーザーレベルのライブラリフォルダーが表示されます。
クラッシュログの読み方
-
クラッシュしたスレッドを確認します。 クラッシュしたスレッドは、クラッシュログの上部セクションに[Crashed Thread]というラベルで記載されています。
例:Crashed Thread: 0 Dispatch queue: com.apple.main-thread
- 次に、下にスクロールして、上記のクラッシュしたスレッドに関連するログのセクションを見つけ、最後 (一番上) のプロセスの名前をメモします。 例えば、ここではMax for Liveに関連するプロセスである[com.cycling74.MaxPlugLib]です。
以下の抜粋は、下から上の順で、クラッシュが発生する前に呼び出されたコードライブラリとファンクションを示し、最後にクラッシュ直前にログに記録された最終プロセスを示しています。
3. macOSのクラッシュログのクラッシュしたスレッドと、LiveのLog.txtファイルのクラッシュ時刻を比較します:
2021-04-21T11:58:01.900499: info: Audio time allocations: Max Remote Automation Events: Capacity/Used/Failures: 5041/0/0
2021-04-21T11:58:01.900539: info: Audio time allocations: Max Device Automation Events: Capacity/Used/Failures: 3196/0/0
2021-04-21T11:58:01.900577: info: Audio time allocations: Max Device Midi Events: Capacity/Used/Failures: 7710/0/0
2021-04-21T11:58:01.911677: info: Audio time allocations: Midi Delay: Capacity/Used/Failures: 21845/0/0
2021-04-21T11:58:01.911764: info: Audio time allocations: EventBuffering: Capacity/Used/Failures: 18724/18/0
2021-04-21T11:58:14.617797: info: #######################################
総合的に考えると、これらのエントリは、クラッシュがMax for Liveに関連していたことを示唆しています。 この場合、推奨されるトラブルシューティングは次のとおりです。 Max for Live のリセット方法
同じ方法で、サードパーティのプラグインに関連するクラッシュをmacOSクラッシュログで確認できます。 プラグインに関連するクラッシュのトラブルシューティングは次のページをご確認ください。 プラグインのトラブルシューティング