レイテンシーの軽減方法

  • 対象となるLiveのバージョン:Live 9.2以降
  • 対象となるOS:すべて

レイテンシーとは?

音声のレイテンシーとは、音声信号がコンピュータなどの装置に入力されてから、その音声信号が装置から現れるまでに発生する短い遅延時間のことを指します(通常、“ミリ秒”で測定されます)。 コンピュータをベースにしたオーディオシステムでは、音飛びやグリッチの無い確実な再生を行うために一定のレイテンシーが必ず発生します。このレイテンシーはオーディオ・バッファリングとして知られています。

【注意】レイテンシーを軽減することはできますが、完全に無くすことはできません。

[環境設定]の[Audio]タブでは、ドライバの種類、オーディオインターフェース、サンプルレート、バッファサイズといった使用する設定に応じて、[入出力レイテンシー]が算出されます。

Overall_Latency.png

Liveでレイテンシーを限りなく軽減する方法

  1. オーディオ・バッファサイズを小さくする
  2. サンプルレートを増やす
  3. 音声入力デバイスを不要なときは無効にする
  4. オーディオのドライバとしてASIO(Windows)/Core Audio(Mac)を使う
  5. ネイティブドライバを作動するオーディオインターフェース専用の機材を使う
  6. CPU負荷を減らす
  7. レイテンシーを発生させるプラグインやデバイスをフリーズ/抑制する
  8. レイテンシーを正確に表示しない可能性のあるプラグインを取り除く
  9. Max for Liveのデバイスのエディタを閉じる

モニタリング時や録音時にレイテンシーを軽減する方法

1. オーディオ・バッファサイズを小さくする

バッファサイズが小さいほど、レイテンシーは低くなります。 ただし、バッファサイズを非常に小さく設定すると、CPU負荷が増加して音飛びやグリッチ音の原因になります。 音質を損なうことなく設定できるバッファサイズの最小値を見つけてください。

2. サンプルレートを増やす

サンプルレートとは、1秒ごとに行われるサンプリング回数のことです。 サンプルレートが高いほど、レイテンシーは低くなります。 ただし、サンプルレートを高く設定すると、CPU負荷が増加します。

3. 音声入力デバイスを不要なときは無効にする

外部音源から録音していない場合は、[オーディオ入力デバイス]を[No Device]に設定して、[入出力レイテンシー]を軽減します。

4. オーディオのドライバとしてASIO(Windows)/Core Audio(Mac)を使う

WindowsでMME/Direct Xを使用中は、通常、小さいバッファサイズの設定ができません。 お使いの機材で利用できるネイティブなASIOドライバが無い場合は、代わりにASIO4ALLをお使いください。 Macでは、Core Audioがドライバタイプとして初期設定されています。

5. ネイティブドライバを作動するオーディオインターフェース専用の機材を使う

通常、オーディオインターフェース専用の機材には、ネイティブなドライバとしてASIOかCore Audioが付属しており、全体のレイテンシーを軽減することできます。 コンピュータのサウンドカードではなく、高品位なオーディオインターフェースをお使いください。

6. CPU負荷を減らす

CPU負荷を低くすると、オーディオ・バッファサイズを小さくすることができます。 LiveでCPU負荷を減らす方法をこちらの記事にまとめています。

7. レイテンシーを発生させるプラグインやデバイスをフリーズ/抑制する

特定のデバイスやプラグイン、そして、トラックディレイによって、レイテンシー(遅延)が発生することがあります。 このレイテンシーは、デバイスが入力音を処理して出力するまでの時間に起因しています。 Liveのディレイ補正機能は、全トラックの同期が保たれるように遅延を相殺し、音声、オートメーション、モジュレーションを補正します。 恒久的にレイテンシーを除去するには、原因となるデバイスを含むトラックをフリーズ/抑制してください。 トラックをフリーズ/抑制する前に、[オプション]で[ディレイ補正]を必ず有効にしてください。

8. レイテンシーを正確に表示しない可能性のあるプラグインを取り除く

異常なレイテンシーが発生している場合は、各プラグインをひとつずつ削除して、原因となっているプラグインを探してください。

9. Max for Liveのデバイスのエディタを閉じる

Max for Liveのデバイスも、デバイスのエディタ画面が開いているときは、レイテンシーの増加原因になります。 エディタ画面を閉じて、レイテンシーを除去してください。

モニタリング時や録音時にレイテンシーを軽減する方法

録音された音声のレイテンシー

録音中のトラックのモニターが[Off]のときは、補正されるのはオーディオの録音のみです。 モニターが[In]もしくは[Auto]のときに行われる録音は補正されません。

[In]もしくは[Auto]でモニターする音声信号のレイテンシーを軽減する方法

トラックディレイを大幅にマイナスで設定しているときや、レイテンシーを起こすプラグインを数多く使って入出力レイテンシーがかなり大きくなる場合は、オーディオとMIDIのリアルタイム録音を行えなくなることがあります。 この状態は、Liveでモニタリングを行っている場合にとりわけ問題になります。 対応するには、いくつかの方法があります。

  1. [モニタリング時に低レイテンシー]を使用する
    [オプション]で[モニタリング時に低レイテンシー]を有効にします。 これにより、録音可能状態にある、もしくは、モニターを[In]に設定したトラックへ加わるレイテンシーを回避できます。
    Screen_Shot_2017-06-02_at_15.40.37.png
  2. ダイレクトモニタリングを行う(お使いのオーディオインターフェースが対応している場合)
    一部のオーディオインターフェースには、ダイレクトモニタリングと呼ばれる機能が備わっています。 この機能では、オーディオインターフェースに入力された音声信号が、さきにLiveに経由せず、ヘッドフォン用モニターミックスを経由して戻ります。 このとき、音声信号のコピーをLiveに送って録音することもできます。
  3. 外部のミキシングデスク経由でモニタリングする
    オーディオインターフェースやLive経由ではなく、外部のミキシングデスク経由でモニタリングを行います。 このとき、音声信号のコピーをLiveに送れば、録音を行えます。

【注意】モニタリング時にレイテンシーを軽減する場合、モニタリングしている音声信号のみが軽減されます。 録音時のレイテンシーを軽減するには、モニターを[Off]に設定して録音音声を正しく補正する必要があります。

ドライバエラー補正」の意味と使用例

お使いのオーディオインターフェースは、特定のレイテンシーの値をLiveに送ります。 録音中のトラックの[Monitor]が[Off]に設定されていると、その値でオーディオやMIDIの録音を相殺します。 ただし、オーディオインターフェースの一部は、不正確なレイテンシーの値を送ることがあります。その結果、正しく同期するように録音を手動で整える必要があります。 ドライバエラー補正では、Liveが不正確なレイテンシーを自動で補正するようになります。

DEC.png

【重要】

  • ドライバエラー補正を調節すると、[環境設定]の[Audio]で[入出力レイテンシー]があらためて算出されますが、再生時にLiveで発生する全体のレイテンシーは変化しません。軽減されるのは、録音時のみです。
  • ドライバエラー補正が適用されるのは、録音中のトラックの[Monitor]が[Off]に設定されているときのみです。[Monitor]が[In]か[Auto]に設定されているトラックでモニターと録音を同時に行う場合、ドライバエラー補正は適用されません。
  • ドライバエラー補正が必要になるのは、正しいレイテンシーをLiveへ伝達しないオーディオインターフェースを使用するときのみです。
  • ドライバエラー補正の使用に適しているのは、外部音源から音声やMIDIを録音している状況のみです。

ドライバエラー補正を使うタイミングをこちらの記事にまとめています。

参考記事