MIDIでLiveを同期する
- 対象となるLiveのバージョン: すべて
- 対象となるOS: すべて
MIDIを使用することで、Liveの再生を外部のハードウェアやソフトウェア・アプリケーションと同期させることができます。
【注意】 アプリケーションやハードウェアが AbletonのLink に対応している場合は、Linkを使用することを推奨しています。
手順1:MIDI接続を行う
MIDIクロックで同期を行うには、次のいずれかの方法でハードウェアやアプリケーションをLiveに接続する必要があります。
- MIDIケーブルを使う :ハードウェアシーケンサー、ドラムマシン、シンセ、グルーブボックスを、MIDIインターフェイスにMIDIケーブルで接続します。
- USBケーブルを使ってMIDI信号の送受信を行う (ハードウェアが対応している場合): 通常、製造元のウェブサイトからUSB MIDIドライバをインストールする必要があります。
- 仮想MIDIバス や 仮想MIDIネットワーク を使う:アプリケーションが同じコンピュータにインストールされている場合は、仮想MIDIバスを使用してLiveをアプリケーションに接続することができます。アプリケーションが別のコンピュータにインストールされている場合は、仮想MIDIネットワークを使用してLiveをアプリケーションに接続できます。
手順2:Liveの環境設定画面でMIDIの同期スイッチを有効にする
ハードウェアやアプリケーションをLiveに同期させる
- Liveの環境設定画面でタブ[Link MIDI]を開きます。
- ハードウェアやアプリケーションに接続されているMIDIポートの“ Out ”で、同期スイッチを有効にします。
- ハードウェアやアプリケーションで設定を行い、MIDIクロックの同期信号を 受信 できるようにします。設定方法については、各ハードウェアやアプリケーションの説明書を確認してください。
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同期アウトインジケーターでは、MIDIクロックの送信状況を確認できます。
- Liveを再生すると、 ハードウェアやアプリケーションも同時に再生されます。
Liveをハードウェアやアプリケーションに同期させる
- ハードウェアやアプリケーションに接続されているMIDIポートの“ Input ”で、同期スイッチを有効にします。
- ハードウェアやアプリケーションで設定を行い、MIDIクロックやMIDIタイムコードの同期信号を 送信 できるようにします。MIDIタイムコードに対応している場合は、後述の手順3を確認してください。
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Liveの画面左上にあるボタン[Ext]を有効にします。 すると、同期インインジケーターが点滅し、Liveのテンポがハードウェアやアプリケーションのテンポに調整されます。
- ハードウェアやアプリケーションを再生すると、 Liveも同時に再生します。 Liveをハードウェアやアプリケーションに同期させている場合、Liveの再生ボタンと停止ボタンは使用できなくなります。
【注意】 Liveをハードウェアやアプリケーションに同期させている場合、Liveのテンポが小刻みに変動することがあります。これは、ハードウェアやアプリケーションとの同期を保つために行われます。
手順3:MIDIクロックタイプを選択する
LiveがMIDIポートの“Output”のから 送信 できるのは、 MIDIクロック のみです。 MIDIクロックタイプは、ドロップダウンメニューで“ Song ”か“ Pattern ”に設定できます。
- " Song "に設定すると、ソングポジションポインター(現在の再生位置)の情報がMIDIクロックと一緒に送信されます。ソングポジションポインターは、ほかのDAWやLiveと同期するときに役立ちます。
- パターンをループ再生するドラムマシンやグルーヴボックスと同期させる場合は、“ Pattern ”に設定することを推奨しています。
Liveは、 MIDIクロック もしくは MIDIタイムコード (MTC)を 受信 することができます。
- ハードウェアやアプリケーションが MIDIタイムコード に対応している場合は、MIDIタイムコードで同期することを推奨しています。これは、MIDIタイムコードが分解能に優れているためです。 ただし、MIDIタイムコードはテンポ情報を送信しません。 ハードウェアやアプリケーションのテンポに合わせて、Liveのテンポを自分で設定する必要があります。
- テンポの変化にLiveを追随させる場合は、 MIDIクロック で同期することを推奨しています。
手順4:MIDIクロック同期ディレイを調節する
Liveのオーディオ・バッファサイズや、接続した機器のオーディオ・バッファサイズのほか、数多くの要素が原因となり、同期のタイミングが若干ずれることがあります。 Liveでは、[MIDIクロック同期ディレイ]を調節してタイミングを補正できるようになっています。
- 外部機器に接続したMIDIポートを展開表示します。
- Liveのメトロノームと、Liveに同期させる外部機器のメトロノームを有効にします。 外部機器にメトロノーム機能が搭載されていない場合は、1拍ごとにアクセントとなる簡単なパターンを外部機器で作成します。
- [MIDIクロック同期ディレイ]を調節して、ふたつのメトロノーム(もしくは、パターン)を完全にそろえます。
【注意】 Liveの再生ボタンを押してから、ふたつのテンポがそろって一定の値に落ち着くまで数小節かかります。
手順5:同期の安定性
同期の安定性を向上させるには、ひとつのMIDIポートをMIDIの同期信号を送信するためだけに使用して、MIDIノートやCC(コントロールチェンジ)の信号は別のMIDIポートから送信するようにします。
その他のプロトコル:SMPTE(LTC)とMIDIタイムコードの出力
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SMPTE(LTC):
Liveは、受信するLTC(Linear TimeCode)と同期することができず、 Liveだけでは、LTCを生成して送信することもできません。 LiveでLTCを生成して送信するには、ふたつの方法があります。
- こちらのMax for Liveデバイス を使う。SMPTE(LTC)の音声信号を出力することができます。
- 特別に生成したLTCのオーディオファイルをLiveで使う。 その方法については、 Ableton認定トレーナーのWill Doggettによるチュートリアルビデオ で確認することができます。
- MIDIタイムコード(MTC)の出力: Liveは受信するMIDIタイムコードと同期することができますが、Liveだけでは、MIDIタイムコードを送信することができません。ただし、 MIDIタイムコードを出力するMaxのデバイス を利用することができます(Max Runtimeが必要です)。