マルチコアCPUの処理

マルチコア CPU は、2 つ以上のセクションを持つコンピュータ プロセッサです。 チップの各セクションは、あたかも個別のコンピューターであるかのように命令を実行します。 実際には複数のプロセッサーが、ひとつのチップ上に存在します。 ふたつの独立したマイクロプロセッサーを搭載したマルチコアCPUのことを、 デュアルコア プロセッサーと呼びます。 4つの独立したマイクロプロセッサーを搭載したマルチコアCPUは、クアッドコアプロセッサーです。

マルチコアプロセッサー を使うと、複数の指示を効率的に同時処理できるため、シングルコアプロセッサーよりも高性能になります。 ほぼすべての最新システムには、マルチコア プロセッサが標準で搭載されています。 macOSおよびWindowsでの CPU 負荷の軽減について詳しくは、 こちらのページ(macOS) および こちらのページ(Windows) をご覧ください。

Live でマルチコア サポートを有効にするにはどうすればいいですか?
Live 10 以降を実行するにはマルチコア プロセッサが必要なので、これはデフォルトで有効になっています。 Live 9 はシングルコアのコンピュータでも実行できますが、パフォーマンスは制限されます。 Live 9 の環境設定では、CPU タブでマルチコア サポートを有効または無効にできます。

スレッドとは何ですか?
スレッドは、CPU コアによって実行される一連の命令です。 指示が複数のスレッドに分かれることで、マルチコアプロセッサーでの処理が可能になります。 通常、Liveでの1つのスレッドは、オーディオクリップの再生、オーディオエフェクトでの処理、マスタートラックへの出力で構成されます。

マルチスレッドとは何ですか?
マルチスレッドとは、アプリケーションまたはオペレーティング システムが処理に複数のコアを活用する機能です。 Live はマルチスレッドをサポートし、使用します。

ハイパースレッディングとは何ですか?
ハイパースレッディングは、コアをさらに細分化して、2 つの同時に発生するスレッドをコアごとに処理できるようにする特定のプロセッサの機能です。 マルチコアプロセッサーを搭載しているコンピュータの場合、Liveでは最初からハイパースレッディングが有効になります。 Live 9 では、コンピュータにシングルコア プロセッサしか搭載されていない場合、処理されるスレッドの正しい順序を維持するためにハイパースレッディングが自動的に無効になります。

マルチコア プロセッサのコアとスレッドを一度にいくつ使用できますか?
Live は、Mac と Windows でのオーディオ処理に最大 64 個のコアをサポートしています。 音声演算を処理するスレッドについても、Liveは64スレッドまで対応しています。

1トラックにいくつのスレッドが使用されますか?
Live は1つの信号パスを処理するのに1つのスレッドを使用します。 1つの信号パスとは、ひとつながりになった音の流れのことです。 複数のチェーンを並行して鳴らしているインストゥルメント・ラックもしくはエフェクト・ラックをトラックで使用している場合、各チェーンのCPU負荷の大きさによって、Liveはチェーンごとにひとつのスレッドを使用する場合があります。 サイドチェーンを設定している場合などのように、ふたつのトラックがつながっている状態では、両トラックが独立していないトラックとみなされ、ひとつの音声信号として計算されます。 独立していない一連のトラックは、それぞれひとつのスレッドを使用します。

トラックが 1 つしかないセットで CPU 負荷が高くなるのはなぜですか?
Live は信号パスごとに 1 つのスレッドを使用するため、たとえば CPU を大量に消費するインストゥルメントの後に CPU を大量に消費するエフェクトの大きなチェーンが続くトラックが 1 つしかないセットでも、CPU 負荷が高くなる可能性があります。

Liveは、ひとつの音声信号を処理するのに、ひとつのスレッドを使用します。 予算に余裕がある場合は、可能な限り高速なプロセッサーと多数のコアを搭載することを推奨しています。 以下にそれぞれの長所と短所の概要を示します:

コア数は多いがクロック速度が遅い場合

コア数は少ないがクロック速度が速い場合

  • Liveはマルチスレッドに対応しているため、トラック数の多い大型のLiveセットで作業するときや、大規模なインストゥルメント・ラックやエフェクト・ラックで作業するときは、使用できるコア数が多いほど、効率的になります。
  • 性能を低下させることなく、Liveと連動するアプリケーションを数多く実行できることがあります。
  • ひとつのスレッドの処理性能が向上します。
  • クロック速度の速いCPUにくらべて、ひとつのスレッドの処理性能が劣ります。

  • アプリケーション間で分割できるコアが少なくなります。
  • マルチスレッドの処理性能が劣ります。

Abletonでは、以下の学習リソースと詳細なヘルプが提供されています。: