Live 11のMPE
- 対象となるLiveのバージョン:Live 11
- 対象となるOS:すべて
MPEとは何ですか?
MPE(MIDIポリフォニック・エクスプレッション)を使うと、MPE対応のMIDIコントローラを演奏する方法によって、複数のパラメータを同時に操作することが可能になります。
MPEでは、各MIDIノートに含まれる複数のパラメータを個別にリアルタイムで変更することができます。パラメータは次のとおりです。
- ピッチベンド(横方向の動きに反応)
- スライド(縦方向の動きに反応)
- プレッシャー(押し込む動きに反応)
録音やドローモードでMIDIノートを入力すると、MPEのMIDIメッセージが表示され、いつでも編集できるようになります。
MPEを使うにはどうすればいいですか?
MPEに対応する機能性を備えたLiveのデバイスを使うには、MPE対応のMIDIコントローラが必要になります。 サードパーティー製のVSTプラグインやAUプラグインにも、MPEに対応したものが数多くあります。
LiveのどのデバイスがMPEに対応していますか?
- Wavetable
- Sampler
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Simpler(Samplerに変換することでMPEの設定を変更可能)
- Arpeggiator
持っているプラグインがMPEに対応しているか調べるにはどうすればいいですか?
MPEに対応している場合は、操作画面の右上にMPEのロゴが表示されます。
音の鳴らないMIDIノートがあるときは、どうすればいいですか?
MPEモードで楽器を演奏すると、音の鳴らないMIDIノートが生じることがあります。 その問題を解決するには、MPEの設定を変更する必要があり、一部のハードウェアシンセやマルチチャンネル・プラグインに影響が出ます。 詳細については、こちらのページで確認することができます。
MPE対応の機材を使えるようにするにはどうすればいいですか?
- ハードウェア、MIDIコントローラ、アプリなど、MPEに対応している機材やソフトウェアをお使いのコンピュータに接続します。
- Liveの環境設定のタブ[Link MIDI]を開きます。
- 機材が接続されたMIDIポートで[MPE]のチェックボックスを有効にします。
MPE対応のMIDIコントローラを持っていません。 それでもMPEを扱うことはできますか?
はい。MPEの編集機能を使うことができます。MPEの編集機能では、ドローモードで各ノートのモジュレーションを個別に描いたり、マウスを操作してエンベロープの曲線やブレークポイントを編集したりすることができます。
MPEとポリフォニック・アフタータッチの違いは何ですか?
ポリフォニック・アフタータッチは、鍵盤ごとに1種類のMIDIメッセージを生成します。 MPEは、鍵盤ごとに3種類の異なるMIDIメッセージ(縦方向の動き、横方向の動き、押し込む動きに反応)を生成します。
Push 1やPush2でMPEを扱うことはできますか?
MPEに対応しているLiveのデバイスやサードパーティー製プラグインで、Push 1とPush 2はポリフォニック・アフタータッチに対応しています。 これにより、MIDIノートごとに異なるアフタータッチを適用して、音楽をより表現力豊かにすることができるようになります。 Push 2でポリフォニック・アフタータッチを有効にするには、Push 2のボタン[Setup]を押して、パラメータ[Pressure]を”Poly”に設定します。
記録したMPEのモジュレーションを編集するにはどうすればいいですか?
- MIDIクリップを選択して、クリップビューのタブ[Note Expression]をクリックをします。
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それぞれのパラメータを表示するには、レーンの表示/非表示を切り替えるボタンをクリックします。
- ブレークポイントは、オートメーションでの編集と同じように扱うことができます(移動、コピー、貼り付け、削除、追加、ドローモードでの描画など)。
- コードを別のコードにモーフィングさせるには、コードを構成するMIDIノートにピッチベンドを追加して、現在のピッチから変化後のピッチに向けてエンベロープを描きます。
MIDIエフェクト:MPE ControlとExpression Control
MPE ControlとExpression Controlは、MPEに対応するデバイスのために考案されたMIDIエフェクトです。Live 11のコアライブラリに収録されています。
MPE Controlでは、入力されるMPEのデータに対して、最大値、最小値、変化のかかり具合を設定して、自分のイメージにあった演奏表現に近づけることができます。 MPE Controlを使えば、MPEに対応していないインストゥルメントでも、MPEコントローラで操作できるようになります。
Expression Controlでは、さらに多くのMIDIパラメータを使ってモジュレーションを適用する設定が可能です。それぞれのMIDIパラメータでLiveのパラメータをどのように変化させるのか、個別に設定することができます。Expression Controlを使うことで、複数のモジュレーションをひとつのMPEチェーンにまとめることが可能です。
MPEコントローラのピッチベンドで値が正しく変化しないのはなぜですか?
ピッチベンドの動きに正しく反応させるには、MPEに対応しているインストゥルメントとMPEコントローラでピッチベンドの範囲を一致させる必要があります。
ピッチ以外のパラメータをピッチベンドで変化させることができますか?
はい。MPEに対応しているインストゥルメントによっては、モジュレーション先をピッチ以外に変更することができます。Expression Controlでも、ピッチベンドをピッチ以外のパラメータにマッピングすることができます。
Expression Controlを使っても、複数のモジュレーションを個別のMIDIノートに適用できないのはなぜですか?
Expression Controlで複数のモジュレーションを適用するときは、最後のMIDIノートのみが対象になります。
パラメータの[Sample Selector]や[Sample Offset]に連続したモジュレーションを適用できないのはなぜですか?
これが本来の挙動だからです。 [Sample Selector]と[Sample Offset]の変化は、ノートオン時にのみ適用されます。
SimplerでMPEの設定を変えるにはどうすればいいですか?
MPEコントローラを使ってSimplerを演奏することはできますが、MPEの設定の一部は自分で変更することができません。 変更するにはSimplerをSamplerに変換し、設定変更後にSimplerに変換しなおします。
【注意】SamplerはLive Suiteに付属しています。Live IntroやLive Standardの場合は、別途、Samplerのみを購入することができます。
どのエディションのLiveでMPEを使用できますか?
MPEは、Intro、Standard、Suiteで使用できます。