CV対応ハードウェアをLiveで使用する方法

  • 対象となるLiveのバージョン:Live 8 ~ 11
  • 対象となるOS:すべて

CVとは何ですか?

CVは“Control Voltage”の略語で、シンセサイザーやドラムマシンなどの機材を制御するアナログ方式の手法のことです。 ただし本ページでは、ユーロラック規格で作られた機材のCVを指します。

本ページを読むにあたって、モジュラーシンセに関する中級以上の知識が必要になります。 モジュラーシンセの世界をまったく知らない場合は、入門ガイドとしてBen Jordanによるこちらのビデオをご覧ください。

上級者である場合でも、まずはこちらのページでCV Toolsの概要とよくある技術的なご質問を確認することを推奨しています。 CV ToolsがなくてもLiveでCVを扱うことはできますが、同ページで触れている安全に関わる重要な情報は、本ページを読み進めるうえでも欠かせません。

シンセサイザー、ドラムマシン、サンプラーといったハードウェアをLiveに連動させる方法については、こちらのページで確認することができます。

外部エフェクトを使用している場合は、こちらのページを確認してください。

手順1:動作環境を確認する

出力音を録音するだけなど、ある程度までであれば、ほとんどのオーディオインターフェースでモジュラーシンセとLiveを接続して使用することができます。 ただし、オーディオインターフェースの入出力がDCカップリングされていなければ、CVを扱うことができません。このことから、多くのオーディオインターフェースは次の3種類に分類されます。

分類1:オーディオインターフェースの入出力がDCカップリングされている。
こうしたオーディオインターフェースは、CVを安定して送受信します

分類2:オーディオインターフェースの出力のみがDCカップリングされていて、入力はACカップリングされている。
こうしたオーディオインターフェースは、CVを安定して送信しますがCVを受信できません

分類3:オーディオインターフェースの入出力がACカップリングされている。
こうしたオーディオインターフェースは、CVを安定して送受信できません

トリガー信号とゲート信号は、例外として送受信することができます。

モジュラーシンセ内で用いられるトリガー信号とゲート信号では、MIDIメッセージの“ノートオン”と“ノートオフ”のように、2種類の操作が伝えられます。 こうした操作には厳密なDC値が不要であるため、DCカップリングされているオーディオインターフェースを使用せず、トリガー信号やゲート信号をDAWで送受信できることがあります。 ただし、この信号は、その他のモジュラーの信号と同様、最大10Vになることがあります。 必ずライン信号のレベル(最大1V)まで弱めてから、オーディオインターフェースに接続し、お使いの機材に損傷を与えないようにしてください。

手順2:Liveの環境設定のタブ[Audio]で設定を行う

DCカップリングされたオーディオインターフェースとは、通常のオーディオインターフェースに異なる種類の入出力端子が備わったものです。 設定方法の具体的な手順については、こちらのページで確認することができます。

ただし、複数のオーディオインターフェースを同時に使用することが望ましい場合がよくあります。 たとえば、1台のオーディオインターフェイスでCVをモジュラーシンセに送信し、別のオーディオインターフェイスでLiveのマスタートラックからモニタースピーカーに音声を出力する場合などです。 Liveの環境設定のタブ[Audio]では、1度に1台のオーディオインターフェースしか利用することができないため、複数のオーディオインターフェースを同時に使用しづらくなっています。 こうした状況に対応するには、機器セットの作成が必要になることがあります。機器セットを作成すると、複数のオーディオインターフェースを実質的に1台のオーディオインターフェースとして扱うことで、複数のオーディオインターフェースを同時に使用できるようになります。

  • 【注意】この方法の問題点として、Liveの環境設定で入出力チャンネルの名前を保存しても、呼び出されない場合があります。

手順3a:接続設定を行って録音する(MIDIをCVに変換する場合)

MIDIをCVに変換する外部のコンバータを使用する場合、手順は、MIDIでハードウェアを使用するときと同じです。

【注意】Max for Liveデバイスで外部から音声を入力する設定にしている場合(CV Toolsに収録されているデバイスなど)、現状では、そのMax for Liveデバイスを含むトラックをフリーズ/フラット化することができません。 この制約を回避するには、MIDIトラックとオーディオトラックをペアで使用して、外部からの音声を録音します。

手順3b:接続設定を行って録音する(DCカップリングされたオーディオインターフェースを使う場合)

DCカップリングされたオーディオインターフェースを使用する場合、CVと音声の両信号が同じものとして扱われます。 手順は、外部エフェクトを使用するときと同じです。ただし、CVを直接モニタースピーカーに送信してモニタースピーカーが損傷しないよう、とくに注意してください。

手順4:LiveでCVを使用するときに発生する可能性がある問題

  1. CV Toolsの収録デバイスであるCV Instrumentが測定して調整できるのは、1V/Octのチューニングに2極電圧(±5V)を使用するオシレーターのみです。 デジタルオシレーターを搭載するモジュラーシンセには、1極電圧(+5V以上)のみでチューニングするものがあります。そうしたモジュラーシンセの場合、CV Instrumentに互換性はありません。このことがお使いのモジュラーシンセに該当するか不明な場合は、モジュラーシンセの取扱説明書を参照してください。

  2. 優れたモジュラーシンセを使用していても、DCオフセットと呼ばれる振幅のずれが最終的な音声に発生することがよくあります。 LiveのデバイスUtilityでボタン[DC]を有効にすると、この影響を軽減するのに役立ちます。
  3. DCカップリングされたオーディオインターフェースでは、ノイズフロアがかなり高くなる傾向にあるため、製造元の多くはACカップリングを採用しています。 ACカップリングでは、多くの場合、正確な電圧(1V/Octの信号など)の維持が難しくなります。 ただし、LFOやエンベロープなどのように、それほど精密な信号ではなくても、録音や再生で認識できるような違いが発生することはほとんどありません。

  4. 多くのモジュラーシンセと同様、パッチングが複雑になり、状況を把握しづらくなることがあります。 Liveのようなデジタル環境と連携させる利点のひとつは、メーターによって現在の状況を高度に可視化できることです。 モジュラーシンセがどのように作用しているのかわからなくなった場合は、デジタルオシロスコープを使って経路内のさまざまな信号を確認してみてください。 こちらのオシロスコープが、とても便利です。

  5. 実質、CVはLive内で音声信号として扱われるため、音声信号を扱う従来の作業と同じ録音方法や接続設定の多くが応用可能です。 ただし、そうした処理の結果、本来と異なる音になることがあるため、特別な注意が求められます。

    • たとえば、モジュレーション信号をSamplerに読み込むと明らかに違う音になります(初期状態のSamplerでは、アンプリチュード(振幅)が12dB減少し、ローパスフィルターが適用され、ベロシティーの操作が可能になるためです)。 この処理は音声信号にとって望ましいものですが、正確なモジュレーションには不向きです。