ステムのインポートとエクスポート
リミックスを作るときや、ミックスエンジニアにトラックをミックスしてもらうときは、"ステム "を使って作業するのが一般的です。"ステム "を使うことで、プロジェクトを、個別にレンダリングされたオーディオファイルにすることができます。例えば、ある曲を、ボーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラムの5つの別々のステムに分けることができます。 各トラックを個別のオーディオファイルとして書き出す場合(たとえば、ドラムの各音をオーディオファイルとして書き出す場合)、書き出されたオーディオファイルは“ パート ”とも呼ばれます。
【注意】 このページでの“ステム”は、Native InstrumentsのフォーマットであるStemsとは意味が異なります。StemsのフォーマットはLiveに対応していません。
ステム(パート)のインポート
ステム(パート)のエクスポート
エクスポートするトラックにリターンエフェクト/マスターエフェクトを適用(Live 10.1以降のみ)
ワープマーカーのリセット
ステム(パート)のインポート
例 : アーティストからリミックス用にステム(パート)を受け取った場合。
1. Liveの環境設定画面を開き、タブ[ Record Warp Launch ]へ移動します。
2. [ ロングサンプルの自動ワープ ]を“オフ”にします。 この操作により、スタートマーカーがオーディオファイルの開始地点へ正しく配置されるほか(オーディオファイルの冒頭に無音が含まれていても、スタートマーカーがオーディオファイルの開始地点へ配置されます)、ワープや音声劣化が発生しなくなります。 [ クリップ端にフェードを作成 ]を“オフ”にします。“オン”にしていると、クリップに鋭いアタック部分が含まれている場合(キックなど)、 1拍目のアタック部分の音量がわずかに小さくなります。
3. オーディオファイルをLiveへドラッグします。ドラッグ操作は、Liveのブラウザーから行うか、Finder(Mac)/エクスプローラー(Windows)から行います。 複数のオーディオファイルを選択して[ Cmd ]キー(Mac)/[ Ctrl ]キー(Windows)を押したままLiveへドラッグすると、別々のトラックにオーディオファイルがインポートされます。
4. Live内でテンポを設定して、オーディオファイルのテンポと同じにします。 オーディオファイルを提供した人にテンポをたずねるか、リズムを含むトラックをワープしてテンポを調べます。
5. Live内でテンポを変更する場合、変更後のテンポに合わせてオーディオファイルを ワープ する必要があります。
ステム(パート)のエクスポート
例: ステム(パート)をミキシングエンジニアへ送って楽曲を本格的にミックスダウンしてもらう場合。
1. 楽曲全体を選択して、ウィンドウ“ オーディオ/ビデオをエクスポート ”を開きます([ Cmd + Shift + R ]キー(Mac)/[ Ctrl + Shift + R ]キー(Windows)を押すと開きます)。
2. [書き出されるトラック]を“ 個別のトラック すべて ”に設定します。
3. [ 書き出しスタート ]と[ 書き出される長さ ]を必ず楽曲全体の長さに合わせて設定します。(楽曲の最初から最後までに設定します。楽曲に含まれる個別のトラックの開始地点と終了地点ではありません)。
4. [ ループとして書き出す ]、[ モノに変換 ]、[ ノーマライズ ]をそれぞれ“オフ”に設定します。
5. ミックスエンジニアもLiveを使用している場合、[ 分析ファイルを作成 ]を“オン”にすれば、エクスポートされたファイルをミックスエンジニアがインポートしたときに、すべての設定が同じに保たれます。 ミックスエンジニアがLiveを使用していない場合、分析ファイルを作成する必要はありません。
6. 好みのサンプルレートを設定します。設定するサンプルレートは、ステムやパートを使って作業する人のDAWで対応しているサンプルレートにしてください。
【注意】 サンプルレートを変換すると、わずかながら音質低下の原因になります。
7. [PCMをエンコード]を“オン”に設定し、[ファイルタイプ]を“WAV”か“AIFF”に設定します。
8. 音声のディザリングが2倍になることを防ぐために、[ビットデプス]を“32”に設定してエクスポートすることを推奨しています。 同様に、ミックスエンジニアもエクスポートされたファイルを扱うときはディザリングに注意するようにします。 詳細については、 オーディオファクトシート で確認することができます。
9. [ エクスポート ]をクリックして全トラックを個別にエクスポートします。
【注意】 グループトラック(グループ化されたトラック)の書き出しはグループ単位で行われ、グループトラックのエフェクトがそのまま適用されます。グループ内に含まれる個別のトラックもエクスポートされますが、こちらにはグループトラックのエフェクトは適用されません。 リターントラックのエフェクトやグループトラックのエフェクトを使って元のクリップのトラックと組み合わせてエクスポートしたい場合、追加の手順が必要になります。
エクスポートするトラックにリターンエフェクト/マスターエフェクトを適用(Live 10.1以降のみ)
ウィンドウ“オーディオ/ビデオをエクスポート”で[リターン/マスターエフェクトを含む]を“オン”にします。 これにより、リターンエフェクトとマスターエフェクトを含めて、個別のステムすべてを一度にエクスポートできます。
Live 9の場合
- リターントラックやグループトラックの処理が適用されているトラックをソロにします。
- [オプション]メニューで[ ソロ・イン・プレイス ]が有効になっていることを確認して、リターントラックやグループトラックのエフェクトが聞こえるようにします。
- ウィンドウ“ オーディオ/ビデオをエクスポート ”を開いて[ 書き出されるトラック ]を“ Master ”に設定します。
- 上述の手順2~9を行います。
- リターントラックやグループトラックの処理が適用されている各トラックで同じ操作を行います。毎回、必ずトラックをソロにして操作を行ってください。
ワープマーカーのリセット
ワープマーカーのリセットは、BPMがあらかじめ分かっているステムをワープするときに特に便利です。 まず、すべてのステムオーディオファイルが同じ長さであることを確認してください。
- セッションビューまたはアレンジメントビューで、Liveブラウザからステムオーディオファイルのグループをセットにドラッグします。
- グローバルプロジェクトのテンポを正しいBPM値に設定します。
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すべてのクリップを選択し、[Reset Warp Markers]を選択します。