Liveでハードウェアシンセサイザーを使用する
- 対象となるLiveのバージョン: すべて
- 対象となるOS: すべて
Liveでは、シンセサイザー、ドラムマシン、サンプラーなどのMIDI対応ハードウェアを円滑に連携することができます。
CV対応ハードウェアをLiveで使用する方法については、 こちらのページ で確認することができます。
外部エフェクトを使用している場合は、 こちらのページ を確認してください。
- 手順1:動作環境を確認する
- 手順2:ハードウェアを接続する
- 手順3:Liveのオーディオ設定を行う
- 手順4:LiveのMIDI設定を行う
- 手順5:External Instrumentを使用する(推奨)
- 手順6:MIDIトラックとオーディオトラックを一緒に使用する(External Instrumentを使わない場合)
- 手順7:ハードウェアをLiveに録音する
- 手順8:ハードウェアを使用する別の方法
- 手順9:ハードウェアを使用するときに発生する問題
手順1:動作環境を確認する
Liveで効率的にハードウェアを連携させるには、次のものが必要になります。
- MIDIインターフェース :多くのオーディオインターフェイスには、MIDIポートが搭載されています。
- オーディオインターフェース
- MIDIケーブル :USBでMIDI信号の送受信を行える場合は、USBケーブルでも可能。
- オーディオケーブル
【注意】 一部の最新機材では、USBで音声信号の送受信を行えるものがあります。この場合は、必ずしも専用のオーディオインターフェースを使う必要はありません。
手順2:ハードウェアを接続する
- MIDIケーブルを使って、MIDIインターフェースの MIDI出力(MIDI Out) をハードウェアの MIDI入力(MIDI In) に接続します。
-
オーディオケーブル(ステレオのオーディオケーブルでも可)を使って、ハードウェアの
オーディオ出力
をオーディオインターフェースの
オーディオ入力
に接続します。
- USBでMIDI信号や音声信号を送受信できるハードウェア をお使いの場合は、USBケーブルでコンピュータと接続して、必要なドライバをインストールします。ドライバは、ハードウェアの製造元のウェブサイトからダウンロードすることができます。
手順3:Liveのオーディオ設定を行う
- Liveの環境設定画面でタブ[Audio]を開きます。
- [入力設定]をクリックします。
-
ハードウェアに接続されている入力チャンネルを有効にして、名前を変更します。
- USBで音声信号を送受信できるハードウェアを使用する場合、そのハードウェアをオーディオインターフェースとして選択できます。
手順4:LiveのMIDI設定を行う
- Liveの環境設定画面でタブ[Link MIDI]を開きます。
-
該当するMIDI出力ポートの[トラック]を有効にして、MIDIノートと
MIDI CCメッセージ
の両方を送信できるようにします。
【注意】 すべてのハードウェアが MIDI CCメッセージ に反応するわけではありません。 ハードウェアの取扱説明書の仕様ページを読み、MIDI CCメッセージに対応していることを確認してください。 - シーケンサー、LFO、エフェクトを内蔵している外部ハードウェアと同期するには、該当するMIDI出力の[同期]を有効にします。
-
該当するMIDI出力ポートの[リモート]は無効のままにしてください。
【注意】 MIDIポートの機能の詳細については、 こちらのページ を確認してください。
手順5:External Instrumentを使用する(推奨)
ハードウェアをLiveで使用するときは、デバイス“External Instrument”がとても便利です。 External Instrumentを使うと、ソフトウェアやプラグインと同じような方法で外部ハードウェアの操作を行えるようになります。
【注意】 External Insrumentを使用できるのは、LiveのSuite、もしくはStandardです。 LiveのIntro、もしくはLiteをお使いの場合は、代わりに手順6を確認してください。
- ハードウェアに接続している、MIDI出力ポート、チャンネル、オーディオ入力ポートの設定を行います。
- 音声がずれて聞こえる場合は、 [Hardware Latency] を調節します。
手順6:MIDIトラックとオーディオトラックを一緒に使用する(External Instrumentを使わない場合)
External Instrumentを使えない場合や、こちらの方法でハードウェアを使いたい場合は、以下の手順で操作を行ってください。
- MIDIトラックを作成します。
- 入力/出力セクションで、該当するMIDIチャンネルを選択します。
- オーディオトラックを作成します。
- 入力/出力セクションで、“Ext. In”と 該当するオーディオチャンネルを選択します。
- [Monitor]を[ In ]に切り替えます。
- メニュー[オプション]で [モニタリング時に低レイテンシー] が有効になっていることを確認してください。
- MIDIトラックのトラックディレイを調節して、ほかの音声とタイミングを揃えます。
手順7:ハードウェアをLiveに録音する
ハードウェアのオーディオ出力からの音声をLiveに録音する方法はいくつかあります。
方法1:別のオーディオトラックに直接録音する(推奨)
- 空のオーディオトラックを作成します。
- [ Audio From ]をExternal InstrumentかExternal Audio Effectのトラックに設定して、直接音声を受け取るようにします。
- “Pre FM”、“Post FX”、“Post Mixer” のいずれかを選びます。 録った音をLive内で処理したり、エフェクトをかけたりしたい場合は、“ Pre FX ”に設定してハードウェアのドライ音を録音してください。
- 録音するオーディオトラックの[Monitor]は[ Off ]のままにしておきます。
- アームを有効にして、空のクリップスロットへ録音します。
方法2:トラックを個別に書き出す
- メニュー[ファイル]から[ オーディオ/ビデオをエクスポート ]を選びます(Macなら[ Shift + Cmd + R ]キー、Windowsなら[ Shift + Ctrl + R ]キーで同じ操作を行えます)。
- ハードウェアの音を取り込むトラックのみを選択します。
- 用途に合わせて設定を行うと、Liveはリアルタイムでトラックをオーディオファイルに書き出し始めます。
- 処理が完了したら、書き出されたオーディオファイルをLiveのオーディオトラックにドラッグします。
方法3:トラックをフリーズ/フラット化する
- トラック上で右クリックして[トラックをフリーズ]を選び、ふたたび右クリックして[フラット化]を選びます 。
- この操作により、トラックは音声に変換され、使用していたデバイスやMIDIノートが削除されます。
- 削除したくない場合は、フリーズ/フラット化を行うまえにトラックを複製してください。
方法4:Liveセット全体をエクスポートする
Liveセット全体をエクスポートする瞬間まで、ハードウェアを録音しないでおくこともできます。
- メニュー[ファイル]から[ オーディオ/ビデオのエクスポート ]を選びます。
- マスタートラックをエクスポートします。
【注意】 エクスポート後にアレンジメントやミックスへ変更を加える場合は、Liveセット全体のエクスポート作業をもう一度行ってください。
手順8:ハードウェアを使用する別の方法
1. ハードウェアをMIDIコントローラとして使用する
多くのシンセサイザーにはキーボードが搭載されており、MIDIコントローラとしてLiveで使用することができます。
- シンセサイザーの MIDI出力(MIDI Out) を、MIDIインターフェースの MIDI入力(MIDI In) に接続します。 USBケーブルでの接続に対応している場合は、USBケーブルを使用することもできます。
- Liveの環境設定画面のタブ[Link/MIDI]で、該当するMIDI入力ポート(Input)の[ トラック ](Track)を有効にします。
- シンセサイザーのノブやダイヤルをLiveのパラメータにマッピングしたい場合は、[ リモート ](Remote)を有効にします。
【注意】 後述の“ローカルコントロール”に関する説明も確認してください。
2. MIDIチャンネル
標準のMIDIは、各ポートで16チャンネルに対応しています。 MIDIチャンネルの変更は、ハードウェアの設定で行えます。 複数の異なるハードウェアをデイジーチェーンしてひとつのMIDIポートに接続した場合、各ハードウェアを操作しやすくなります。
【注意】 MIDIデータの転送速度には制限があるため、可能な場合はハードウェアごとにMIDIポートへ接続することを推奨しています。
3. プログラムチェンジメッセージ
MIDIプログラムチェンジメッセージを送信して、パッチ、パターン、またはプリセットを切り替えることができます。 MIDIプログラムメッセージをLiveのMIDIクリップビューの[ Pgm Change ]で設定すると、そのクリップを鳴らしたときに、MIDIプログラムメッセージが送信されます。 MIDIプログラムチェンジメッセージは、クリップごとに1種類のみ送信できます。 MIDIプログラムチェンジメッセージの扱いは、ハードウェアによって異なるため、適切に切り替わるようになるまで設定を試す必要があります。
4. ローカルコントロール
一部のシンセサイザーには、ローカルコントロールと呼ばれる機能が備わっています。ローカルコントロールを無効にすると、鍵盤やノブを操作しても、シンセサイザーの音源は反応しなくなりますが、その操作によるMIDIメッセージがMIDI出力(MIDI Out)からLiveへ送信されるようになります。このMIDIメッセージは、LiveからMIDI入力(MIDI In)経由でシンセサイザーに送り返されます。 ハードウェアの取扱説明書で、ローカルコントロールを無効にする方法を確認してください(ハードウェアによって、ローカルコントロール以外の名前で呼ばれていることがあります)。
5. マルチティンバー音源
マルチティンバー音源(マルチモードとも呼ばれます)を利用すると、異なるMIDIチャンネルを介して複数の種類のパッチを同時に演奏することができます。
ハードウェアに複数のオーディオ出力が備わっている場合、複数のExternal Instrumentを使用することができます。 前述の“ External Instrumentを使用する ”で案内した手順にそって、操作を行ってください。ただし、External Instrumentごとに、MIDIチャンネルとオーディオ入力を分けるようにします。
お使いのハードウェアの出力がステレオ1チャンネルしかない場合、MIDIチャンネルごとにMIDIトラックを使い、音声のモニタリングはひとつのオーディオトラックで行うことを推奨しています。 録音するときは、ひとつのMIDIトラックをソロにして、ひとつずつ録音します。
手順9:ハードウェアを使用するときに発生する問題
1. モニタリングする音にレイテンシーが発生する
- バッファサイズを小さく、サンプルレートを高く設定する。
- [ モニタリング時に低レイテンシー ]を有効にする。
- ダイレクトモニタリング に対応している場合は、オーディオインターフェース経由でモニタリングする。
- 外部のミキサー経由でモニタリングする。
- レイテンシーの軽減方法 を確認する。
2. モニタリングする音はずれていないのに録音すると音がずれる
外部入力から直接録音している場合(Live内部の別トラックからの録音でない場合)、録った音がずれることがあります。 この問題は、 ドライバエラー補正 を使用することで解決できます。
3. モニタリングする音が二重になる
モニタリングする音が二重になって聞こえたり、位相がずれているように聞こえたりする場合、ふたつの理由が考えられます。
- オーディオインターフェースのコントロールソフトウェアを経由する音と、LIveを経由する音を同時にモニタリングしている可能性があります。 オーディオインターフェースのコントロールソフトウェアで出力チャンネルをミュートして、モニタリングの音が二重にならないようにしてください。
- キーボード搭載のシンセサイザーを演奏して、MIDIトラックとオーディオトラックをモニタリングしている場合、MIDI信号がシンセサイザーに少し遅れて送り返されるため、音が二重になります。 MIDIトラックの入力/出力セクションで[Monitor]を[Off]にしてモニタリングを無効にするか、前述のローカルコントロールを無効にします。
4. 録音が音飛びする
- バッファサイズを大きく、サンプルレートを低く設定する。
- すべてのケーブル(USBケーブル、オーディオケーブル、MIDIケーブル)に破損がないことを確認する。
- 音割れや音飛びの予防方法 を確認する。