外部ハードウェアの使用方法

  • 対象となるLiveのバージョン: Live 8 ~ 10
  • 対象となるOS:すべて

外部ハードウェアを取り入れた制作方法

LiveでMIDIを使用することで、シンセサイザー、ドラムマシン、サンプラーといった外部機材をなめらかに連携することができます。

本ページでは、Liveで外部ハードウェアを使って制作するさまざまな方法を順にご紹介します。

ステップ1:ハードウェアを接続する

Liveでハードウェアを操作するには、通常、以下の機器が必要になります。

  • MIDIポート付きのハードウェア:MIDIを使用できない場合は、“MIDI to CV/Gate”などの適切な変換機器が必要になります。
  • MIDIインターフェイス/空きのMIDIポート:MIDI信号を機器へ送信するために使用します。
  • オーディオインターフェース:音声の録音とモニタリングに使用します。
  • MIDI/音声を送受信できるUSBプロトコル:お使いの機器がこのUSBプロトコルに対応している場合、USBケーブルをコンピュータに接続して、MIDIインターフェイス/オーディオインターフェイスの代わりに使用できます。

ハードウェアを接続する: 

  1. MIDIインターフェースのMIDI出力を、ハードウェアのMIDI入力に接続します。
  2. ハードウェアのオーディオ出力を、オーディオインターフェースのオーディオ入力に接続します。Screen_Shot_2017-05-23_at_15.58.59.png
  3. お使いのハードウェアにMIDI出力ポートが搭載されている場合、Liveへ接続してハードウェアのMIDI情報を録音できます。 ハードウェアのMIDI出力を、MIDIインターフェースのMIDI入力に接続してください。
  4. MIDI/音声を送受信できるUSBプロトコルに対応したハードウェアをお使いの場合は、USBケーブルを使ってコンピュータと接続できます。

ステップ2:Liveのオーディオ設定を行う

Liveでハードウェアの音声をモニタリングする場合(エフェクトを使った音声の加工や録音などを行う場合)、以下の操作を行ってください。

  1. Liveの環境設定画面で[Audio]タブを開きます。
  2. [オーディオデバイス]でオーディオインターフェースを選択して[入力設定]をクリックします。
    External_Hardware_with_Live_2018-01-12_at_17.36.55.png
  3. ハードウェアに接続されている入力を有効にします。
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  • 【注意】音声の重複を避けるために、通常、使用するチャンネルの出力をオーディオインターフェースのソフトウェアでミュートする必要があります(ミュートが可能な場合)。 ミュートしないと、オーディオインターフェースのコントロールソフトウェア経由の音声と、Live経由の音声が重複して出力されます。

音声を送受信できるUSBプロトコルに対応したハードウェアを使用する場合、Liveの[環境設定]でオーディオインターフェースとして選択できます。

【注意】Macでは、入力用と出力用で異なる機器を選択できますが、 Windowsでは、入力用と出力用でひとつの機器しか選べません。

ステップ3:LiveのMIDI設定を行う

MIDI出力ポート

  1. Liveの[環境設定]で[Link / MIDI]タブを開きます。
  2. 該当するMIDI出力ポートの[トラック]を“オン”にすると、お使いのハードウェアへMIDIノートとMIDI CCメッセージ(MIDIコントロールチェンジ・メッセージ)の両方を送信できるようになります。フィルターカットオフ、レゾナンス、ADSRなど、リアルタイムで変更可能なパラメータであれば、MIDI CCメッセージでオートメーション化できます。
    【注意】一部のハードウェアはMIDI CCメッセージに反応しません。 ハードウェアの取扱説明書の仕様ページを読み、MIDI CCメッセージに対応していることをご確認ください。
  3. シーケンサー内蔵の外部ハードウェアと同期するときや、外部ハードウェアにMIDIで同期するパラメータが備わっているときは、該当するMIDI出力ポートの[同期]を“オン”にしてください。
  4. 該当するMIDI出力ポートの[リモート]は“オフ”のままにしてください。
    【注意】MIDIポートの機能の詳細については、「LiveのMIDIポートの説明」をご確認ください。

External_Hardware_with_Live_2018-01-12_at_17.41.00.png

MIDI入力ポート

  1. MIDIノートやMIDI CCメッセージを受信するMIDI入力ポートの[トラック]を“オン”にします。
  2. Liveのマッピング機能でMIDIコントローラを使う場合は、[リモート]を“オン”にします。

ローカルコントロール:キーボード付きのシンセサイザーを使用する場合、不要なMIDIメッセージが発生しないようにシンセサイザーのローカルコントロールを“オフ”にしてください。 これにより、シンセサイザーの鍵盤やノブを操作しても、シンセサイザーの音源は反応しなくなり、Liveに接続したMIDI出力のみからMIDIメッセージを送信するようになります。このMIDIメッセージは、LiveのMIDI入力経由でシンセサイザーに送り返されます。 シンセサイザーの取扱説明書を読んで、ローカルコントロールを“オフ”にする方法をご確認ください(メーカーによってはローカルコントロール以外の名前で呼ばれていることがあります)。

ステップ4:Liveからハードウェアを操作する

Liveでハードウェアの操作やモニタリングを行うには、ふたつの方法があります。

方法1:External Instrumentを使用する

ハードウェアをLiveで使用するときは、デバイスのExternal Instrumentがとても便利です。 External Instrumentを使うと、Liveに内蔵されているインストゥルメントデバイスと同じように、外部ハードウェアの操作を行えるようになります。 External Deviceでは、MIDIと音声がひとつのチャンネルに結合し、デバイスの操作をMIDIクリップで行います。 また、MIDIエフェクトとオーディオエフェクトを同じトラックへ加えられるようになります。

【注意】External Instrumentは、LiveのStandardとSuiteでのみ使用できます。 Intro、もしくは、Liteをお使いの場合は、後述の「方法2」を行ってください。

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  1. ハードウェアに接続しているMIDI出力ポートとオーディオ入力ポートの両方の設定を行います。
  2. External Instrumentの使用中は、Liveが音声のレイテンシーを補正しようとします。 使用しているハードウェアによって、ハードウェア自体がレイテンシーを発生することがあります。 このレイテンシーは、External Instrumentの[Hardware Latency]を調節してハードウェアの音声を他の音声のタイミングに合わせることで解消できます。

以下の例では、External Instrumentを使ってRoland Junoの操作とモニタリングを行っています。

 External_Hardware_with_Live_2018-01-12_at_17.42.47.png

方法2:MIDIとオーディオのトラックをペアにする

External Instrumentを使えない場合や、使いたくない場合は以下の手順で操作を行ってください。

  1. 適切なMIDI出力ポートへMIDIを送信するように設定したMIDIトラックを加えます。
  2. そのあと、適切なオーディオ入力から音声を受け取るように設定したオーディオトラックを加えます。
  3. オーディオトラックの[Monitor]を[In]に設定して音声をモニタリングします。

【注意】この方法を行うときは、[オプション]メニューで[モニタリング時に低レイテンシー]を有効にしてください。 手動でMIDIトラックのトラックディレイをマイナスに設定して、他の音声とタイミングを揃えます。 全体のレイテンシーは[環境設定]の[Audio]タブ内にある[入出力レイテンシー]に表示されていますので、トラックディレイでは、その値をマイナスで設定します(例:-6.73)。 ハードウェア自体にレイテンシーが発生している場合は、タイミングが合うまで耳で確認しながら、トラックディレイをさらに調節します。

 External_Hardware_with_Live_2018-01-12_at_17.43.47.png

以下の例では、先ほどと同じRoland Junoを別々のMIDIトラックとオーディオトラックで操作して、トラックディレイで他の音とタイミングを合わせています。

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外部ハードウェアをLiveで同期する

ハードウェアの録音やモニタリングをLiveで行う必要がなく、同期のみを行う場合は、MIDIでLiveを同期できます。

マルチティンバー音源を操作する(マルチモード)

ハードウェアがマルチモード(マルチティンバーとも呼びます)に対応している場合、異なるMIDIチャンネルで複数のパッチやサウンドを操作できます。そのための設定は少し異なります。シンセやオーディオインターフェースに複数の入出力が備わっていない場合は、とくに設定が必要です。

シンセに複数のオーディオ出力が備わっている場合、External Instrumentはいくつかの使い方ができます。 その場合は、シンセの各パッチに特定のMIDIチャンネルが割り当てられ、音声は専用の出力から、オーディオインターフェースの専用の入力へ送られます。External InstrumentをMIDIトラックへ読み込み、対応するMIDIとオーディオのチャンネルを設定してください。

お使いのシンセに出力がステレオ1チャンネルしか備わっていない場合や、オーディオインターフェースに入力がステレオ1チャンネル(モノラル2チャンネル)しか備わっていない場合は、以下のように複数のMIDI/オーディオのトラックを使用することを推奨しています。

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このようにすれば、すべての音声がひとつのトラックにまとまります。

異なるパッチを別々のトラックに録音する場合は、録音作業を複数回行う必要があります。その際は、毎回、録音するパッチ以外のMIDIチャンネルはミュートにします。 この方法で録音を行うと、自動補正が適用されません。録音したトラックを必要に応じてトラックディレイで調節する必要があります。

プログラムチェンジメッセージ

設定したMIDIクリップを使ってMIDIのプログラムチェンジメッセージを送信することで、パッチ、パターン、プリセットの変更を行えます。

設定には、クリップビューの[Notes]セクションにある[Pgm Changes]を使います。 [Bank]、[Sub]、[Pgm]で対応する番号を選んでクリップを再生すると、それに応じてハードウェアのプリセットが変更されます。

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【注意】プログラムチェンジメッセージを受信してから実際にプリセットが変更されるまで、少し時間がかかることがあります。クリップの開始地点にノートが打ち込まれている場合は、変更前のパッチが再生されることがあります。

【注意】ノートの演奏ではなく、プログラムチェンジメッセージを使ってドラムマシンなどのパターンを変更する場合は、空のMIDIクリップを作成して[Pgm Change]を設定します」設定で空のMIDIクリップを作成できます。 このクリップを再生すると、ハードウェアの対応するパターンが再生されます。

ステップ5:ハードウェアエフェクトを使用する

ハードウェアエフェクトの最適な結果を得るためには、ステレオ2チャンネル以上の出力とステレオ1チャンネル以上の入力が備わっているオーディオインターフェースを使用してください。 ステレオ1チャンネル(モノラル2チャンネル)の出力とモノラル1チェンネルの入力しかなくてもハードウェアエフェクトを使用できますが、エフェクトの音は完全にモノラルになります。

  1. オーディオインターフェスのオーディオ出力1チャンネル(モノラル)かオーディオ出力2チャンネル(ステレオ)を、ハードウェアエフェクトの入力に接続します。
  2. ハードウェアエフェクトの出力を、オーディオインターフェースのオーディオ入力1チャンネル(モノラル)かオーディオ入力2チャンネル(ステレオ)に接続します。
  • 【注意】音声の重複を避けるために、通常、使用するチャンネルの出力をオーディオインターフェースのソフトウェアでミュートする必要があります(ミュートが可能な場合)。 ミュートしないと、オーディオインターフェースのコントロールソフトウェア経由の音声と、Live経由の音声が重複して出力されます。

方法1:External Audio Effectを使用する

External Audio Effectは、インサートエフェクトとして使用できるほか、リターンチャンネルに適用することもできます。

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Audio To]では、ハードウェアエフェクトの入力に接続しているオーディオインターフェースの出力を選びます。[Audio From]では、ハードウェアエフェクトの出力に接続しているオーディオインターフェースの入力を選びます。 External Instrumentと同様、ハードウェアエフェクトに生じるレイテンシーは[Hardware Latency]で補正できます。 External Audio Effectの詳細は、マニュアルページをご確認ください。

お使いのオーディオインターフェースによっては、オーディオインターフェース専用コントロールパネルで接続設定を変更する必要があります。 オーディオインターフェースの取扱説明書や製造元のウェブサイトで詳細をご確認ください。

【注意】External Instrumentは、LiveのStandardとSuiteでのみ使用できます。 Intro、もしくは、Liteをお使いの場合は、後述の「方法2」を行ってください。

方法2:リターントラックとオーディオトラックを組み合わせて使用する

リターントラックと組み合わせてハードウェアエフェクトを使用することもできます。音声をハードウェアエフェクトへ送れるほか、オーディオトラックへ送って音声のモニタリングを行えます。この方法を行うときは、[オプション]メニューで[モニタリング時に低レイテンシー]を有効にしてください。

  1. 空のリターントラックを作成し、 ハードウェアエフェクトの入力に接続しているオーディオインターフェイスの出力を[Audio To]で選びます。
  2. 空のオーディオトラックを作成し、ハードウェアエフェクトの出力に接続しているオーディオインターフェースの入力を[Audio From]で選びます。 [Monitor]を[In]に変更します。 こうすることで、このオーディオトラックは、ハードウェアエフェクトからの音声をモニタリングするために使用できるようになります。
  3. 音声をハードウェアエフェクトに送るには、エフェクトがかかるようにオーディオトラックの[Send]ノブを回し切り、モニタリング用オーディオトラックの音量を調節して、ウェット音とのバランスを取ります。 レイテンシーを補正するには、モニタリング用トラックディレイのトラックディレイをマイナスに設定して調節を行います。
  4. 次の画像では、Wavetableの音声が“To Effect”と名付けたリターントラックAを経由してハードウェアエフェクトに送られています。エフェクト音は“FROM Effect”と名付けた空のオーディオトラックの入力1/2からLiveに戻ってきています。

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【注意】リターントラックを接続したオーディオトラックで同じ[Send]を有効にすると、リターントラックのレイテンシーは補正されません
オーディオトラックへ接続されたリターントラックに正しくディレイ補正を適用するには、リターントラックと同じ[Send]を無効にしてください。 無効にするには、[Send]ノブ上で右クリックをして[センドを無効にする]を選びます。 たとえば、リターントラックAを“FROM Effect”へ接続する場合は、“FROM Effect”の[Send A]で右クリックして[センドを無効にする]を選びます。

ステップ6:ハードウェアを録音する

ハードウェアのオーディオ出力をLiveで録音する方法はいくつかあります。

方法1:別のオーディオトラックに直接録音する

  1. 空のオーディオトラックを作成します。
  2. External InstrumentかExternal Audio Effectのトラックから直接音声を受け取るように[Audio From]を設定します。 [Pre FM]、[<0>Post FX]、[<0>Post Mixer]から選んでください。 Liveのデバイスチェーン内で、External InstrumentやExternal Audio Effectのあとにエフェクトを配置して音へ変化を加える場合は、[Pre FX]に設定してハードウェアのドライ音を録音することを推奨しています。
  3. 録音するオーディオトラックの[Monitor]は[Off]のままにします。
  4. [アームボタン]を押して、空のクリップスロットへ録音します。

次の画像は、Live内でシンセを録音している例です。 音声は[Pre FX]で録音される設定になっています。

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【注意】オーディオインターフェースに入力された外部音声を直接録音することもできます。 その利点は、ひとつの入力チャンネルだけを選んでモノラル録音を行えることです。一方で、Live内の録音では常にステレオ録音になります。 複数のExternal InstrumentやExternal Audio Effectを使う場合、いずれかのハードウェアのレイテンシーを調整すると、他のデバイスとのレイテンシー調整が相殺されます。 その結果、録音した全オーディオトラックのタイミングが互いにずれてしまい、クリップの開始位置をあとから手動で調整することになります。 完全に補正されたオーディオ録音を行うには、前述の方法に従ってLive内で録音を行ってください。

方法2:個別のトラックをエクスポートする

個別のトラックをエクスポートする方法もあります。 [ファイル]メニューから[オーディオ/ビデオをエクスポート]を選びます(Macなら[Shift + Cmd + R]キー、Windowsなら[Shift + Ctrl + R]キーで同じ操作を行えます)。 [エクスポート]を押すと、リアルタイムでトラックが書き出されます。 処理が完了したら、エクスポートされたオーディオファイルを元のオーディオトラックにドラッグしてください。

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方法3:トラックをフリーズ/フラット化する

トラック上で右クリックして[トラックのフリーズ]と[<0>フラット化]を選びます。 実行すると、トラックは音声に変換され、使用していたデバイスやMIDIパターンが削除されます。 削除したくない場合は、フリーズ/フラット化を行う前にトラックを複製してください。

方法4:セット全体をエクスポートする

トラックのエクスポートが完了するまでハードウェアを実際に操作する場合は、 [ファイル]メニューから[オーディオ/ビデオのエクスポート]を選んでください。

【注意】エクスポート後にアレンジメントやミックスダウンへ変更を加える場合は、セット全体のエクスポート作業をもう一度行ってください。

ステップ7:レイテンシーを最小化する

コンピュータをベースにした録音システムでは、レイテンシーを完全に排除することは不可能に近いですが、レイテンシーを低減する方法はいろいろと存在します。

  • バッファサイズを小さく、サンプルレートを高く設定する。
  • オーディオのドライバとしてASIO(Windows)/Core Audio(Mac)を使う。
  • ネイティブドライバを作動するオーディオインターフェース専用の機材を使う
  • CPU負荷を減らす
  • Liveでモニタリングする場合は[モニタリング時に低レイテンシー]を使用する。
  • ダイレクトモニタリング対応のオーディオインターフェースでモニタリングする。
  • 外部のミキシングデスク経由でモニタリングする
  • ドライバエラー補正を使用するタイミングを知る。

上記のすべてに関する詳細については、「レイテンシーの軽減方法」に関する記事を参照してください。

参考記事

レイテンシーの軽減方法」で、さらに詳しい情報を確認できます。