ユーザーライブラリ

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ユーザーライブラリ(User Library)は、プリセット、デフォルト、クリップ、デフォルトLiveセットなど、ユーザーの作成したものが保存されている場所です。 ユーザーライブラリは、コアライブラリ(Core Library)の中身とは切り離されています。そのため、ユーザーライブラリのバックアップを行ったり、別のLiveやコンピュータと共有したりすることが簡単に行えます。

初期設定時のユーザーライブラリの場所

Liveを初めてインストールすると、ユーザーライブラリが次の場所へ作成されます。

  • Windows:\Users\[username]\Documents\Ableton\User Library
  • Mac:Macintosh HD/Users/[username]/Music/Ableton/User Library

初期設定の場所ではなく、別の場所にユーザーライブラリのパスを設定することができます。 コンピュータ内のフォルダや外付けハードドライブであれば、どこでもユーザーライブラリを作成できます。 Liveの環境設定画面でタブ[Library]からボタン[ブラウズ]をクリックして好きな場所を選んでください。 選んだ場所にユーザーライブラリが作成されます。

既存のユーザーライブラリを移動する

既存のユーザーライブラリの場所を変更する場合は、Finder(Mac)/エクスプローラー(Windows)でフォルダ“User Library”を任意の場所へ移動してから、Liveの環境設定でその場所をパスに設定します。

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ユーザーライブラリをFinder(Mac)/エクスプローラー(Windows)ですばやく開くには、Liveのブラウザーで“ユーザーライブラリ”を右クリックして[Finderに表示](Mac)/[エクスプローラーに表示](Windows)を選びます。

ユーザーライブラリのフォルダ構成

初期設定では、ユーザーライブラリにほとんど何も入っていません。5つのフォルダからなる簡素な構成になっています。

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フォルダ構成の管理

ユーザーは任意のフォルダを既存のフォルダへ加えることができるほか、既存のフォルダの削除も行えます。

“ユーザーライブラリ”内のフォルダを右クリックすると、コンテクストメニューで[名称変更]を行えます。 フォルダを別のフォルダ内へドラッグすると、フォルダの移動を行えます。“ユーザーライブラリ”内で何もない部分を右クリックすると、コンテクストメニューで[新規フォルダー]の作成を行えます。

Finder(Mac)/エクスプローラー(Windows)でフォルダ“User Library”に移動して、フォルダの構成を変更することもできます。“User Library”に含まれるフォルダに変更が加えられると、それに合わせてLive上のユーザーライブラリも必ず変更されます。

フォルダ“クリップ”

フォルダ“Clips”は、ユーザーの作成したクリップを保存する場所です。フォルダ“Clips”は、クリップが使われるLiveセットとは独立しています。 クリップの保存は、保存したいクリップを“ユーザーライブラリ”内のフォルダ“Clips”へドラッグするだけで行えます(別のフォルダでも保存できます)。 フォルダ“Clips”内に別のフォルダ(下層フォルダ)をたくさん作成している場合、フォルダ“Clips”の上で数秒間クリップをドラッグしたままにすると、下層フォルダが表示されます。

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保存されるMIDIクリップには、MIDI情報(ノートとオートメーション)、インストゥルメントの設定、および、エフェクトチェーン(使用している場合)が含まれています。

オーディオクリップを保存する場合や、Drum Rack、Sampler、Simpler、Max for LiveデバイスをMIDIクリップに読み込んでサンプルを参照している場合、その参照しているサンプルもユーザーライブラリへ保存されます。

保存の処理は、環境設定画面のタブ[Library]にある[ブラウザ動作]の欄で選択した設定にしたがって、自動的に行われます。

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“常に実行”を選ぶと、クリップやプリセットで参照されている全サンプルが“ユーザーライブラリ”のフォルダ“Samples”へ自動的に保存されます。 “警告表示”を選ぶと、クリップやプリセットの保存時にダイアログウィンドウが表示され、ユーザーライブラリに保存するサンプルを指定することが可能になります。

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上の画像では、フォルダ“Factory Packs”に含まれるサンプルを保存対象から除外するように設定しています。フォルダ“Factory Packs”に含まれるサンプルは、Liveのブラウザーの[Pack]内に入っているので、この設定により、ユーザーライブラリへ余分に保存することを避けられます。

フォルダ“Defaults”

フォルダ“Defaults”には、デバイス、トラック、エフェクト、スライスプリセットなどに適用する好みの初期設定(デフォルト)を保存できます。保存したデフォルトは、デバイスなどを呼び出すたびに初期設定として適用されます。

デバイスの現在の設定をデフォルトとして保存するには、デバイスのタイトルバーを右クリックし、[デフォルトプリセットとして保存]を選択します。 そうすると、そのデバイスの種類に該当するフォルダへデフォルトが保存されます。そのフォルダは、“ユーザーライブラリ”内のフォルダ“Defaults”の中にあります。 デバイスなどを“Defaults”へドラッグすることでも、設定をデフォルトとして保存できます。

デフォルトの取り消しは、該当するフォルダからデフォルトを削除するだけで行えます。

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フォルダ“Grooves”

フォルダ“Grooves”には、ユーザーの作成したグルーヴが保存されます。グルーヴを使うと、ワープしたオーディオクリップやMIDIクリップのリズム感が変わります。

ワープしたオーディオクリップからグルーヴをトランジェントにもとづいて抽出するには、サンプル波形を右クリックして、コンテクストメニューから[グルーヴを抽出]を選びます。 MIDIクリップの場合も操作は同じです。MIDIノートエディタで任意の場所を右クリックして、コンテクストメニューから[グルーヴを抽出]を選ぶと、MIDIクリップからグルーヴの抽出が行われます。

抽出されたグルーヴは、使用中のLiveセットのグルーヴプールに表示されます。

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グルーヴ名を右クリックすると、コンテクストメニューで[名称変更]を行えます。 グルーヴ名の隣にある小さなフロッピーディスクアイコンをクリックすると、“ユーザーライブラリ”内のフォルダ“Grooves”へグルーヴが保存されます。

フォルダ“Presets”

フォルダ“Presets”には、インストゥルメント、Max for Live、MIDIエフェクト、オーディオエフェクトなどの設定をプリセットとして保存できます。

サンプルを使うデバイス(SimplerやSamplerなど)では、参照しているサンプルの保存も必要になります(保存の処理は、環境設定画面のタブ[Library]にある[ブラウザ動作]の欄で選択した設定にしたがって行われます)。

参照しているサンプルが保存される場所は、フォルダ“Samples”です。

フォルダ“Samples”

プリセット、インストゥルメントやLiveセットをユーザーライブラリに保存するとき、参照しているサンプルはすべて“Samples”フォルダへ保存されます。 録音したサンプルや編集したサンプルを保存すると、サンプル元の種類にもとづいて別のフォルダが作成されます。

 

ライブラリの管理

参照するサンプルがすべてユーザーライブラリに正しく保存されていることを確認したり、プリセットを管理したりする操作は、とても簡単に行えます。

メニュー[ファイル] →[ファイルの管理]→[ユーザライブラリの管理]の順に移動すると、プリセット、クリップ、Liveセットなど、ユーザーライブラリに保存されているファイルの概要を確認できます。

それ以外にも、不明なファイルを検索する、参照しているすべてのオーディオファイルをユーザーライブラリに含める、使用されていないファイルを削除してハードドライブの空き容量を増やす、といった操作も行えます。

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Abletonでは、以下の学習リソースと詳細なヘルプが提供されています。: