CPU負荷の軽減方法 (Windows)

Ableton Live の使用時にオーディオが途切れたり、パフォーマンスが低下したりする場合は、コンピューターの CPU の負荷を減らす必要がある可能性があります。 Windows コンピューターの CPU 負荷を軽減するには、 以下の手順 に従ってください。

【注意】 パフォーマンスの問題を避けるため、必ずハードウェアのドライバとサードパーティー製のプラグインが最新バージョンであることを確認してください。 また、こちらのビデオではお使いのコンピュータに合わせてLiveを設定してCPU負荷を軽減する方法を確認することができます。

CPU使用率のモニタリング

Live 11 以降では、Live の CPU メーター の設定を変更することで、Live のオーディオ処理のパフォーマンスへの影響を、 現在 (ピーク) または 平均 の値で表示できます。 Live 10 の CPU メーターには平均 CPU 使用率のみが表示されます。 CPU メーターの値は、タスク マネージャーに表示される、Live によって使用されるコンピューター全体の CPU の割合と同じではありません。 お使いのコンピューター上の Live の CPU 使用率のモニタリングについては、 こちらのページ をご覧ください。

CPU使用率を削減するためのガイドライン

オーディオ設定
グラフィック カード設定
CPU を多く使用するデバイス
オーディオ ファイル設定
プラグイン デバイス ウィンドウを閉じる
システム リソースの最適化
CPU スロットリングを減らす
コンピューター コンポーネントのアップグレード

オーディオ設定

1. サンプルレートを下げる
Live の環境設定 → Audioを開きます。 サンプル レートを低くすると、CPU 使用率が低下します。 44100Hzや48000Hzに設定してみてください。 既存のプロジェクトで作業している途中にサンプルレートを変更するよりも、適切なサンプルレートに設定してから新しいプロジェクトを始めるほうが理想的です。

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2. バッファサイズを上げる
バッファサイズは必ず2の累乗にあたる値(128、256、512、1024)に設定してください。 バッファ サイズを大きくすると、 レイテンシーが増える 可能性があることに注意してください。

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ASIO オーディオ インターフェースのバッファサイズ/サンプルレートの変更について詳しくは、 こちらのページ をご覧ください。

3. 使用していない入出力を無効にする
[入力設定]と[出力設定]を開き、未使用のオーディオ入出力を無効にします。 使用している入力の種類に応じて、モノラル入力ペアのみ、、もしくはステレオ入力のみを無効にすることができます。

グラフィックカードの設定

1. グラフィック カードをアップデートする
古い GPU ドライバーはさまざまな問題を引き起こす可能性があるため、 Windows グラフィック カード ドライバーが 最新バージョンにアップデート されていることを確認してください 。

2. 統合グラフィックカードと ディスクリート グラフィック カード
統合グラフィック カードとは、CPU と同じマザーボード上に組み込まれた グラフィック プロセッシング ユニット (GPU) を指します。 統合グラフィックカード自体にはCPUがないため、処理には、コンピュータのRAMとCPUが使用されます。 専用グラフィックカードやディスクリートグラフィックカードは、コンピュータのグラフィック性能の管理を行う専用のCPUを備えた拡張カードのことを指します。

GPU によってパフォーマンスの問題が発生している場合は、ディスクリート グラフィックスと統合グラフィックスを 切り替え てみてください。

3. グラフィックカードの設定を最適化する

Picture_1.png Picture_2.png Picture_3.png 同様の設定はNVIDIAとATI Radeonのコントロールパネルの設定にも存在し、どちらもアプリケーションごとに設定を変えることができます。 Picture_4.png

4. 追加のグラフィック カード オプションを無効にする
グラフィック カードに 3D やフレーム レート関連の機能などのゲーム パフォーマンス オプション (例: NVIDIA G-Sync ) がある場合は、これらを無効にするかアンインストールしてみてください。

5. 外部モニターまたは 4K モニターを取り外す
外部モニターを取り外してみてください。 4K モニターを使用すると、アプリケーションを実行するための GPU 処理負荷が増加します。

CPU負荷の高いデバイスを最適化する

デバイスとプラグインの CPU 処理を最適化するには、次のガイドの手順に従ってください。

Wavetable 使用時の CPU 負荷の管理
Echo 使用時の CPU 負荷の管理
CPU 負荷の高いデバイスの最適化

システムリソースを最適化する

お使いのコンピュータで別のプログラムが処理を行うと、Liveで使用できるCPUの量が減少することがあります。

1. Live の使用中は他のアプリケーションを閉じる
アクティブなアプリケーションの CPU 使用率を確認するには、タスク バーを右クリックしてタスク マネージャーを開きます。

2. Wi-Fi、Bluetooth、ウェブカメラを無効にする
Liveの使用中には Wi-Fi、Bluetooth、ウェブカメラを無効にして、CPU 使用率を解放します。

3. システム ドライブの空き容量を解放する
Live が最適に動作するには、システム ドライブに少なくとも 10% の空き容量を確保しておくことをお勧めします。

4. Windows が USB デバイスをオフにしないようにする
省電力機能として、Windows は USB ポートが使用されていないと判断した場合、自動的に USB ポートをオフにします。 USB オーディオ インターフェイスには電源が供給され、Live で使用できる状態である必要があるため、この機能を無効にしないと CPU スパイクが発生する可能性があります。 WindowsがUSBデバイスを停止しないようにする方法については、 こちらのページ (外部ページ/英語)で確認することができます。

CPUのスロットリングを減らす

特定の設定や構成により、CPU の最大容量が制限されたり、低下したりすることがあります。

1. ラップトップを電源に接続する
バッテリーを節約するために、Live などの負荷の高いプログラムの使用中は CPU が調整される場合があります。 そのため、Live を使用するときはラップトップを電源に接続してください。

2. 高パフォーマンス プランを選択する
Windows ではさまざまな電源プランが提供されており、その中には他のプランよりも CPU 効率が高いものもあります。 Live などの CPU を集中的に使用するプログラムを使用する場合は、 高パフォーマンス プラン が推奨されます。

3. バッテリー寿命を確認する
古くて効率の悪いノートパソコンのバッテリーは、CPU リソースを制限する可能性があります。 必要に応じてバッテリーを交換してください。

4. ファンと通気孔を掃除する
ファンと通気孔にほこりや糸くずが詰まっていると、コンピューターを冷却するために、ファンと通気孔をより強く、より長く回転させる必要が生じます。 その結果、コンピュータの温度が上昇するほどシステムのリソースが減少させるサーマルスロットリング(熱暴走を回避するために、性能を低下させる機能)が作動します。 資格を持った専門家に、年に一度コンピューターのファンと通気口の清掃を依頼することをお勧めします。

5. コンピュータ周囲に空間が十分にあることを確認する
コンピュータの周囲に冷たい空気が十分に流れるようにしてください。 通気口を塞ぐ可能性のあるソファ、クッション、布地の上に置かないでください。 コンピュータを暑い部屋で使用する場合は、外部ファンや空調を使って冷却しましょう。

コンピュータのコンポーネントをアップグレードする

Liveの性能の高さは、お使いのコンピュータの性能に限られます。 必要動作環境 は、Liveを動作させるのに最低限必要な動作環境ですので、予算の範囲内でもっとも高性能のコンピュータを購入するのが理想的です。 ただし、もっとも高性能のコンピュータを使っていても、使い方次第ではCPUの問題が発生することがあります。

コンピュータを上位機種へ買い換えられない場合でも、個別にコンポーネントをアップグレードすることで著しい改善を行えることがあります。 一部のコンピュータでは、個別にコンポーネントをアップグレードすることができませんが、もしお使いのコンピュータで個別にコンポーネントをアップグレードできる場合は、CPUのアップグレードやRAMの追加のほかに、ハードドライブをSSDに変更してみてください。

Abletonでは、以下の学習リソースと詳細なヘルプが提供されています。: