Liveのアクセシビリティの概要

Live 12では、macOSおよびWindowsのスクリーンリーダーなどの支援ツールをサポートしています。 どのスクリーンリーダーソフトウェアでも動作するように設計されていますが、macOSではVoiceOver、WindowsではNVDA、ナレーター、およびJAWSを使用してテストしています。

はじめに

キーボード
アクセシビリティ
オーディオ
MIDI

Liveのユーザーインターフェース

コントロールバー (Alt/Option + 0 キー)
セッションビュー (Alt/Option + 1 キー)
アレンジメントビュー (Alt/Option + 2 キー)

アレンジメントビューのタイムライン

移動方法
クリップ端の調整方法
コンテンツの選び方
コンテンツの挿入方法
コンテンツの移動方法
コンテンツの削除方法
オーディオをレンダリングする方法

クリップビュー (Alt/Option + 3 キー)

MIDIの操作

ノートを選択した状態での操作

オーディオの操作

デバイスビュー (Alt/Option + 4 キー)
ブラウザ (Alt/Option + 5 キー)

はじめに

Live 12ではキーボードでの操作とキーボードワークフローに関する多くの改善が追加されました。 これらのアップデートの詳細については、Liveのマニュアルおよびアクセシビリティに関するよくある質問のページをご覧ください。 キーボードの操作で、ほとんどのコマンドとワークフローにアクセスできるようになりました。

アクセシビリティをサポートする追加機能には次のものがあります。

  • ハイコントラストのバリエーションを持つテーマ
  • Liveの メニュー > [オプション] > [アクセシビリティ] での、「メニューコマンドの読み上げ」や「最小値と最大値のスライダーの読み上げ」の設定

キーボード

Liveのアクセシビリティの中心はキーボードワークフローです。 Liveのほぼすべての場所でTabキーによるナビゲーションがサポートされており、Tabキーでのナビゲーションが効かない領域は将来のリリースで修正される予定です。

まず、アクセシビリティの環境設定を設定します。

  1. 環境設定を開きます (Windowsでは Control + カンマ、macOSでは Command + カンマを押します)。 次に、ラジオボタンにフォーカスして Display & Input のページを選択します。 別のボタンが選択されている場合は、矢印キーの左/上および下/右を使用して選択を変更します。

  2. Tabキーを使用して、ページ内の最初の設定にフォーカスします。 言語を変更する場合は、Enterキーを使用してポップアップを開き、上/下の矢印キーを使用して選択肢を移動します。 ここで新しい言語を選択すると、Liveを再起動するよう求められます。

    注: [環境設定] または別のダイアログが表示されている場合でも、スペースキーは常にトランスポートの再生をコントロールするために使用されます。 LiveのボタンはすべてEnterキーでトリガーされます。

  3. Display & Input のページ内をTabキーで移動し、 [Tabキーでフォーカスを移動] [Tabキーのフォーカスを折り返す] が両方とも「オン」に設定されていることを確認してください。

  4. Escキーを使用して環境設定を閉じます。

アクセシビリティ

[オプション] メニュー (Windowsでは Alt + O キー、macOSでは VO + M キーの後、VoiceOver で O キー) には [アクセシビリティ] サブメニューがあります。 アクセシビリティ サブメニューの各オプションを使用すると、ソフトウェア内を移動するときに聞こえる情報をさらにコントロールできます。

初回起動時に、利用可能なすべてのオプションを有効にすることをお勧めします。 オプションがさらに追加されることもありますので、アップデートを行った後はこのサブメニューをチェックして、新機能があるかどうかを確認してください。

Liveのほぼすべての部分にはヘルプテキストがあり、ソフトウェアを学習するときに非常に役立ちます。 Windowsを使用している場合、 [ヘルプテキストを読み上げる] オプションを有効にすると、利用可能なヘルプテキストが各要素の名前に追加されます。 macOSで VoiceOver を使用している場合は、VoiceOverのユーティリティの詳細設定でヘルプテキストをオンにすることをお勧めします。 VO + Shift + H キーを使用してヘルプテキストに手動でアクセスすることもできます。

オーディオ

Liveの環境設定を開きます (Windowsでは Control + カンマ、macOSでは Command + カンマ)。 環境設定を開くと、環境設定で最後にアクセスしたページのラジオボタンにフォーカスされます。 Audio を選択し、Tabキーで Audio ページ内を移動します。

オーディオ設定はmacOSとWindowsで異なります。 macOSでは、Liveの入力と出力を任意のCoreAudioデバイスに接続できます。 ドライバタイプ のポップアップから他のドライバーを選択することもできます。 Windowsでは、ASIO4ALLなどのドライバーを選択します。接続されたデバイスはドライバー独自のプログラムを介して管理されます。

[入力設定] および [出力設定] ボタンを押すと、チャンネル構成ダイアログが開きます。 これらのダイアログでは、Liveで使用できるモノラルチャンネルとステレオチャンネルを選択できます。 各チャンネルに名前を付けることもできます。 この名前は、Liveのルーティングオプションに表示されます。

オーディオ出力が機能していることを確認するには、Tabキーを押して [テストトーン] オプションに移動し、Enterキーを押してアクティブにします。 トーンが聞こえたら、準備完了です。 トーンが聞こえない場合は、 こちらのページのガイド に従ってください。

MIDI

Liveは、接続されているMIDIデバイスを自動的に検出します。 一部のMIDIコントローラーには、デバイスをLiveのワークフローと統合するためのスクリプトも付属しています。 これらのデバイスを使用することはできますが、現時点ではスクリーンリーダーには十分に最適化されていません。

環境設定の [Link, Tempo & MIDI] のページの コントロールサーフェス のリストには、接続されたコントローラーを設定するオプションがあります。 リストの下には入力セクションと出力セクションがあり、接続されているMIDIデバイスのより詳細なオプションを設定できます。 詳細は、Liveマニュアルの こちらのページ をご確認ください。

Liveのユーザーインターフェース

ここまででアクセシビリティのオプションを有効にし、オーディオデバイスとMIDIデバイスを設定したので、今度はLiveのUIを確認しましょう。 最初に行うのは、 [画面操作(Navigate)] メニューを開くことです (Windowsの場合は Alt + N キー、macOSの場合は VO + M キーの後、VoiceOver で N キーを押します)。 [画面操作] 内には、主要なナビゲート可能な場所とそれに対応するショートカットのリストが表示されます。 特定のセクションでは、特定のセクションから離れてから戻ると、最後にフォーカスされていたコントロールにフォーカスが戻ります。 他のセクションでは、ナビゲーションショートカットを使用して、そのセクションの特定の部分に移動します。

コントロールバー (Alt/Option + 0 キー)

コントロールバーは、プロジェクトの各種設定、トランスポートコントロール、マウス/キーボードツール、およびステータスビューで構成されます。 セクションはアクセス可能なグループごとに編成されています。 各オプションについて学ぶには、ヘルプテキストをオンにして、TabキーとShift+Tabキーでコントロール間を移動します。

キーボードショートカットでコントロールバーに戻ると、コントロールバーで最後にフォーカスしたコントロールがフォーカスされます。

セッションビュー (Alt/Option + 1 キー)

セッションビューは、タイムライン上での音楽制作とは異なるアプローチを行うLiveの機能です。 セッションビューは4つの主要なサブセクションで構成されています。

  1. トラックヘッダー : 左右の矢印キーで移動できるトラックのツリーリストです。 各トラックヘッダーのコンテキストメニューには、便利なコマンドとそれに対応するキーボードショートカットが含まれています。
  2. スロット : キーボードでナビゲート可能なクリップスロットのグリッドです。 クリップスロットにはオーディオおよびMIDIコンテンツをロードでき、キーボードを使用してコピーと貼り付けを行うことができます。 MIDIトラックのクリップスロットにフォーカスすると、Control/Command + Shift + M キーを使用して空のMIDIクリップを挿入できます。
    リターントラックにはスロットがありますが、クリップの挿入はできません。
    Enterキーを押して、選択したクリップをローンチします。 Liveのトランスポートが再生中の場合、 コントロールバー クオンタイズメニュー の設定が、クリップの再生開始タイミングに影響します。
  3. シーン : 上下の矢印キーで移動できる、番号付きのシーンのリストです。 Enterキーを使用してシーンをアクティブにすると、シーン内のすべてのクリップスロットがトリガーされます。 トラックヘッダー がセッショングリッドのX軸を構成するのに対し、 シーン はセッショングリッドのY軸を構成します。
  4. ミキサーパネル : 各トラックに1つあり、ルーティングとミキサーのコントロール、およびより詳細なオプションが含まれます。 [表示] メニューには、表示されるミキサーパネルセクションをカスタマイズできる [ミキサーコントロール] サブメニューが含まれています。

セッションビューには2つのナビゲーションモードがあります。 トラックヘッダー クリップスロット 、および シーン で形成されるグリッド内は、矢印キーで移動できます。 Tabキーおよび Shift+Tabキーを使用して クリップスロット および シーン から移動することができます。

ミキサー パネル は、Tab キーと Shift+Tab キーを使用して移動します。 トラック間をすばやくジャンプするには、 Next Neighbor および Previous Neighbor ナビゲーションショートカットを使用します (Windowsでは Control + Tab キーおよび Control + Shift + Tab キー、macOSでは Opt + Tab キーおよび Opt + Shift + Tab キー)。

Esc キーを押すと、 セッションビュー のどこからでも、選択されている トラックヘッダー にフォーカスします。

コントロールバーは、最後にフォーカスしたコントロールを記憶し、キーボードショートカットで戻るときにそれを復元します。

アレンジメントビュー (Alt/Option + 2 キー)

アレンジメントビューは、オーディオ、MIDI、オートメーションを時間経過にあわせてアレンジするためのタイムライン形式のビューです。

キーボードナビゲーションを使用すると、次のことができます。

  • タイムライン内を移動する。
  • タイムラインから、Shift + Tab キーを押してループマーカーへ移動し、Tab キーを押してロケーターに移動します。
  • タイムラインから Tab キーで進むと、[ロケーターを設定]ボタンでロケーターを設定または削除できます。
  • [前のロケーター]、[次のロケーター]ボタンを使用して前または次のロケーターにジャンプします。
  • [オートメーションモード]、[エンベロープを固定]チェックボックスを使用して、オートメーションモードとエンベロープの固定をコントロールします。
  • 上/下矢印キーを使用してトラックヘッダーのリストを縦方向に移動します。
  • (Shift+) Tab キーおよび (Shift+) Control/Opt+Tab キーを使用してミキサーパネルを移動します。

ミキサーパネルの端からTab キーを押すと、波形ズームとトラックの幅/高さを調節するコントロールのグループに移動します。

アレンジメントビューのタイムライン

移動方法

  • 上/下矢印キーでトラック間を移動します。
  • 左/右矢印キーは、現在のグリッド設定に従ってタイムライン上を移動します。
  • プラスキーとマイナスキーを押すと、グリッドの間隔を広げたり狭めたりできます。
  • コンテンツレーンでは、Windowsは Control + 左/右矢印キー、macOSは Opt + 左/右矢印キーで、前/次のクリップ端またはロケーターに移動します。

クリップ端の調整方法

  • クリップ端と重なる所まで挿入マーカーを移動しEnter キーを押すと、クリップ端を動かすことができます。 調整が終わったら、もう一度 Enter キーを押して、クリップ端の調整を終了します。 クリップ端の調整中に Esc キーを押して変更をキャンセルすることもできます。

コンテンツの選び方

  • Shift キーを押したまま矢印キーを使用して、タイムライン上のコンテンツを選択します。 (他の修飾キーを併用することもできます)

コンテンツの挿入方法

  • コンテンツは、ブラウザまたはコンピュータ上の他の場所からコピーして、アレンジメントのタイムラインに貼り付けることができます。

コンテンツの移動方法

  • デフォルトでは、左矢印キーと右矢印キーで選択したコンテンツを移動できます。
  • キーボードショートカット (Control/Command + X キー、Control/Command + C キー、Control/Command + D キー、Control/Command+ V キー) を使用して、選択したコンテンツの切り取り、コピー、複製、および貼り付けができます。

コンテンツの削除方法

  • Backspace キーまたは Delete キーを押すと、アレンジメントタイムラインで選択したコンテンツを削除できます。

オーディオをレンダリングする方法

  • タイムラインで範囲を選択し、Control/Command+Shift + R キー を押してオーディオ/ビデオエクスポートダイアログを開きます。 デフォルトでは、メインオーディオトラックがレンダリングされます。

今後のナレッジベースの更新で、アレンジメントビューでの作業方法に関する詳細情報が追加される予定です。

注: オートメーションとオーディオクリップ端のフェードは、現在スクリーンリーダーではサポートされていません。

クリップビュー (Alt/Option + 3 キー)

クリップビューには、フォーカスされたメインビューで現在選択されているクリップ(または複数のクリップ)が表示されます。 クリップを編集するには、セッションビューまたはアレンジメントビューでクリップを選択します。

クリップビューには、クリッププロパティ (Alt/Option + Shift + P キー) とクリップコンテンツエディター (Alt/Option + 3 キー) の2つのセクションがあります。

クリッププロパティを使用すると、選択したクリップのさまざまなパラメーターを編集できます。 ヘルプテキストには、このセクションの各コントロールに関する多くの役立つ情報が含まれています。

クリップコンテンツエディターでは、プラスキーとマイナスキーを使用してグリッドの間隔を広げたり狭めたりできます。 左/右矢印キーは、現在のグリッド間隔に応じて挿入マーカーを時間軸上で移動させます。

MIDIの操作

  • [オプション] メニューの設定で [MIDIエディターのノートプレビュー]をオンにすることをお勧めします。 これにより、MIDIノートエディターのタイムラインでノートを選択することで、そのノートを聞くことができるようになります。
  • Control/Option + 左/右矢印キーで、挿入マーカーを前/次のノートの端に移動します。
  • Shift キーを押したまま矢印キーを使用して時間範囲を選択します。(修飾キーを使用することも可能です。)
  • MIDIノートを含む時間範囲を選択した場合、Enter/Return キーを押すとノートが選択されます。

ノートを選択した状態での操作

  • ノートの変更
    • 上/下矢印キーは、設定されたスケールに従って選択したノートを移調します。
    • 左/右矢印キーは、現在のグリッド間隔に応じて、選択したノートをタイムライン上で移動します。
    • Shift + 上/下矢印キーを押すと、選択したノートを1オクターブずつ移調します。
    • Shift + 左/右矢印キーを押すと、選択したノートの長さが現在のグリッド間隔に応じて伸び縮みします。
    • Control/Command + 上/下矢印キーで、選択したノートのベロシティを調整します。
    • Control/Command + Alt/Option + 上/下矢印キーで、選択したノートの発音確率を調整します。
  • ノートの操作
    • Control/Option + 上/下矢印キーで、前/次のノートにジャンプします。
    • Control/Option + 左/右矢印キーで、前/次の同じピッチのノートにジャンプします。
    • Shift キーを押したまま上記のショートカットを使用すると、選択範囲を拡張できます。

オーディオの操作

  • Control/Option + 左/右矢印キーは、ワープマーカーおよびトランジェント間で挿入マーカーを移動します。
  • Shift キーを押したまま上記のショートカットを使用すると、選択範囲を拡張できます。
  • Control/Command + I キーを押して、現在の位置にワープマーカーを挿入して選択します。

注: オートメーション、モジュレーションとMPEは、現在スクリーンリーダーはサポートされていません。

デバイスビュー (Alt/Option + 4 キー)

現在ハイライトされているトラックにロードされているデバイスのリストを表示します。 MIDIトラックには、MIDI エフェクト、インストゥルメント、およびオーディオエフェクトを含めることができます。 オーディオ、グループ、リターントラックにはオーディオエフェクトを含めることができます。

ロードされた各デバイスは、スクリーンリーダーではグループとして表されます。 矢印キーを使用してデバイス間を移動できます。キーボードショートカットを使用して、切り取り、コピー、複製、および貼り付けを行います。Delete/Backspace キーは削除を行います。

デバイスを選択した状態でTab キーと Shift + Tab キーを押すと、デバイス内を移動できます。

注: ほとんどのデバイスには基本的なアクセシビリティサポートが備わっていますが、より複雑なデバイスはまだスクリーンリーダー用に最適化されていません。

ブラウザ (Alt/Option + 5 キー)

ブラウザは、検索バー、サイドバー、コンテンツリストの3つの主要セクションで構成されます。 Control/Command + F キーを使用すると、Liveのどこからでも検索バーに直接フォーカスできます。これにより、サイドバーの選択が [すべて] ラベルに変更され、ブラウザ内のすべてのコンテンツを検索できます。 Tab キーを押すと、検索バーからサイドバーにフォーカスが移動します。 検索バーで下矢印キーを押すと、フォーカスがコンテンツリストに移動します。

サイドバーのラベルのリストは、上/下矢印キーで1つだけ選択できます。 選択したラベルによって、コンテンツリストに表示される内容が変わります。 Tab キーと右矢印キーを押すと、フォーカスがコンテンツリストに移動します。

コンテンツリストは、ファイルとフォルダーの両方を含むツリー状のリストです。 プリセットを含むデバイスはフォルダーとして表されます。 Shift + 上/下矢印キーを使用して、特定の種類のコンテンツを複数選択できます。 フォルダー上で右矢印キーを押してフォルダーを展開します。 フォルダー内で左矢印キーを押すと、そのフォルダーにジャンプします。  コンテンツリストの項目は、コンテンツのタイプに応じて、コピーしてアレンジメントビューのコンテンツレーン、セッションクリップスロット、およびデバイスチェーンに貼り付けることができます。

ブラウザプレビューが有効になっている場合 ([オプション] > [ブラウザーファイルのプレビュー])、プレビューが含まれるコンテンツを選択すると、プレビューが再生されます。 有効になっていない場合は、右矢印キーを押すとプレビューが再生されます (プレビューがコンテンツに含まれる場合のみ)。

Abletonでは、以下の学習リソースと詳細なヘルプが提供されています。: