Push(スタンドアロン)のプロジェクト

Pushで作成したセットはコンピューターに転送できます。また、コンピューターからPushにセットを転送することもできます。 ただし、Liveのプロジェクトは、コンピューターとPush間で自動的に同期されるわけではありません。 Pushとコンピューター間でコンテンツを転送するには、同じネットワークに接続している必要があります。

【注意】:PushのUSBポートは、Liveセット・プリセット・メディアファイルなど、コンピューターとPush間のコンテンツやファイルの転送には使用できません。 

概要
Pushを設定してコンピューターと連携する
Pushからコンピューターに転送
コンピューターからPushに転送
プリセットを管理する
ファイルを管理する
バックアップ
トラブルシューティング

概要

Pushとコンピューターは、次の手順に従って接続する必要があります。 接続したら、Liveのブラウザー > [場所]に表示された[Push]ラベルから、機器同士でプロジェクトやファイルを移動したり、Push内部に保存されたコンテンツを管理します。

Pushラベルを開く

プロジェクトを転送するときは、次の点に注意してください:

  • サードパーティー製のプラグイン(VST/VST3/AU)はPushに転送できません。 セットを問題なく再生するには、転送する前にプラグインを使用しているトラックをフリーズしてください。
  • 一部のMax for Liveデバイスは、Pushで動作するときに機能が制限されます。 詳細についてはPush 3(スタンドアロン)のMax for Liveデバイスの互換性をご確認ください。
  • 不明なファイルの発生を防ぐには、こちらのガイドラインを参照してください:プロジェクトを保存する および 外部ストレージとバックアップ
  • プロジェクトで使用しているすべてのPackが、Pushとコンピューターの両方にインストールされているか確認してください。 詳細については、Push(スタンドアロン)のPackで確認することができます。

Pushを設定してコンピューターと連携する

最初に、PushとコンピューターをWi-Fiまたはイーサネットで同じネットワークに接続してください。

Wi-Fiに接続するには[Setup]ボタンを押して、下部ディスプレイボタンを使って[Wi-Fi]タブに移動します。 上部ディスプレイボタンを押すと、Wi-Fiのオン/オフが切り替わります。 詳細については、Pushのマニュアルの”2.3.7 Wi-Fiタブ”を参照してください。

【注意】:ファイアウォールでネットワーク接続が遮断されている場合、デフォルト設定でのWi-Fi接続ができない場合があります。 詳細については、Push(スタンドアロン)のネットワーク接続のトラブルシューティングをご確認ください。

次に、こちらのガイドでLiveライセンスをPush(スタンドアロン)でオーソライズしたら、以下の手順に従ってコンピューターとペアリングしてください。

  1. Liveを開いたらブラウザーに移動して、[場所]カテゴリから[Push]のラベルを開きます。
  2. [接続]をクリックして、Pushとコンピューターをペアリングします。
    Pushに接続する
  3. Liveが6桁のコードを入力をもとめるダイアログを表示します。
  4. Pushに6桁のコードが表示されます。
  5. Liveのダイアログにこのコードを入力して、OKを押すとペアリングが続行します。
    EnterCode.png
    キャンセルしてペアリングを終了するには[キャンセル]をクリックします。

【注意】:[Push]ラベルを開くと、利用可能なPushが表示され、”Push xxx-xxx”の名前が割り当てられています。 正しいPushに接続されたことを確認するには、Pushの設定メニュー > [Status]に移動してください。Pushに割り当てられた名前が表示されます。

Pushとコンピューターのペアリングが完了すると、[Push]ラベルにユーザーフォルダーとファイルが表示されます。 PushのUSBポートでは、セットやLiveのコンテンツを転送できません。

Pushからコンピューターにセットを転送する

  1. Liveのブラウザーで[場所]カテゴリを開いたら、[Push]ラベルを開きます。
  2. [Projects]という名前のフォルダーを開きます。
    Pushからプロジェクトをドラッグして開く
  3. セットを現在のプロジェクトとして開くにはダブルクリックします。 それ以外の場合は、Liveのブラウザーの他の場所にドラッグ&ドロップしてください。

お使いのコンピューター上でセットを開くと、次回保存するときに、コンピューターのドライブに新しいバージョンとして保存するよう求められます。 プロジェクトは自動的にPushと同期されないので、コンピューター上で加えた変更をそのまま保持できるようになります。

【注意】:PushはPackのサンプルを自動的に集めて保存しません。 Packのサンプルを使ってPushで作成したセットを転送する場合、転送先のコンピューターにも同じPackがインストールされている必要があります。 詳細はLiveのPackをインストールするを参照してください。

Pushでセットの作成と保存をする方法は、こちらのガイド記事を参照してください。

コンピューターからPushにセットを転送する

お使いのコンピューターからPushに転送されたセットは、次の条件を満たすかぎり、問題なく再生されます。

  • Abletonのインストゥルメントとエフェクトだけを使用している。
  • [すべてを集めて保存]を行い、必要なサンプルがプロジェクトに保存されている。
  • セットをPushに転送する前に、プラグイン(VST/VST3/AU)を含むトラックをフリーズしている。 サードパーティー製のプラグインと、Live内蔵のものではないMax for Liveデバイスは、Pushに転送されません。 

Liveセットや他のファイルをコンピューターからPushに転送するには、Liveのブラウザーでファイルをドラッグ&ドロップします。 以下のどちらの方法も利用できます。

  • Liveのブラウザーの[場所]カテゴリに、プロジェクトを含むフォルダーを追加して、そこから転送したいプロジェクトを[Push]ラベル上にドラッグ&ドロップする。
    プロジェクトをPushラベルにドラッグ
  • コンピューター内の保存した場所から、macOSのFinderやWindowsのエクスプローラーを使って、プロジェクトを[Push]ラベル上にドラッグ&ドロップする。

転送するときに不明なファイルが発生するのを防ぐには:

  • コンピューター上のLiveセットが、参照されたすべてのサンプルとともに、専用のプロジェクトフォルダーに保存されていることを確認してください。 こちらのページのガイドラインに従ってください。
  • すべてを集めて保存]を使用して、お使いのサンプルをプロジェクトフォルダーに収集してください。
  • Liveのブラウザーの[場所]を使ってコンピューター内のプロジェクトにアクセスしている場合、ドライブ全体やシステムフォルダーは[場所]に追加せず、個別のフォルダーのみを追加してください。 ブラウザーのセクション[場所]でコンテンツを管理するのガイドラインに従ってください。

【注意】:お使いのセットにオーディオのサンプルが含まれている場合は、不明なメディアファイルのエラーを防ぐため、プロジェクトフォルダー全体をPushに転送してください。 Liveセットのファイル(ALSファイル)だけ転送した場合は、Pushに”Some referenced media files are missing”というエラーメッセージが表示される場合があります。

Pushでプリセットを管理する

Push(スタンドアロン)で、プリセットやカスタマイズしたインストゥルメントを管理する方法は、こちらのガイド記事を参照してください。

Pushでファイルを管理する

PushがWi-Fiでコンピューターと接続されている場合は、LiveのブラウザーからPushのプロジェクトフォルダーを表示することができます。
Pushで保存したセットを表示するには、[Sets]ボタンを押してください。 

Setsボタン 名前順で並び替えたセット


Push内のファイルの管理は、コンピューター上のLiveのブラウザーから、ドラッグ&ドロップや右クリック/CTRL+クリックして行います。

  • Liveのブラウザー内で、Liveのプロジェクトを[Push]ラベルにドロップすると、そのフォルダーはPushの[Projects Folder]に表示されます。
  • サンプルやプリセットを[Push]ラベルにドロップすると、そのファイルはPushの[User Library]に追加されます。 Pushの[User Library]は、Liveのブラウザーの[Push]ラベルにも表示されます。
  • ファイルを削除するには、そのファイルを選択して[Delete]キーを押すか、ファイル名を右クリックして[削除]を選択します。
  • ファイルの名前を変えるには、ファイル名を右クリックして[名称変更]を選択します。
  • 新たにフォルダーを作るには、作成する場所を右クリックして[新規フォルダー]を選択します。

バックアップ

作業データの損失を防ぐため、Push内に作成されたLiveプロジェクトは、定期的にコンピューター内かその外付けストレージにバックアップする必要があります。 Pushを発送または返品する必要がある場合、事前にすべてのプロジェクト/サンプル/作成したプリセットなどをバックアップしてください。 詳細についてはこちらのガイドを参照してください。

トラブルシューティング

  • Wi-Fiへの接続やPush(スタンドアロン)とコンピューター間のペアリングで問題が発生したり、ネットワークに接続したもののエラーメッセージが出た場合は、コンピューターとPushが両方とも同じネットワークに正しく接続していることを確認してください。また、ルーター/コンピューター/Pushの電源を切り、再度入れ直してください。 イーサネット経由でも接続することができます。
  • macOSとWindowsのネットワーク接続の問題に関するトラブルシューティングは、こちらのガイドから参照できます。
  • コンピューターからPushにセットを転送したあとに、“Some referenced media files are missing”というエラーメッセージが表示された場合は、コンピューター上でセットを開き、すべてを集めて保存を実行してください。 その後、プロジェクトフォルダーをPushに再度転送します。
  • ファイルの転送やPushとの接続について、上記の手順で問題が解決しない場合は、コンタクトフォームからサポートにお問い合わせください。 

 

Abletonでは、以下の学習リソースと詳細なヘルプが提供されています。: